「節電の夏」到来。事業を止めないIT(第1回)

停電対策と節電の必要性と背景

2012.06.28 Thu連載バックナンバー

昨年(2011年)、首都圏で発動された夏の電力制限令は、銀座・渋谷など繁華街の夜から明かりを奪い、東京を異様な暗さに包み、電車の節電ダイヤは局所的な大混雑を引き起こした。また計画停電も実施され、工場やオフィスの操業停止や業務時間を休日・深夜・早朝へシフトすることが強いられるなど、産業界はもとより社会全体に多大な影響が生じた。

今年の夏も電力供給不足が予想され、政府や各電力会社から節電が奨励されている。電力需給が逼迫した場合には突発的な停電がないとはいえず、西日本を中心に5〜15%(大飯原発稼動後は3〜10%)の節電目標が掲げられている。電力事情の今後は予断を許さない。企業の停電などの際の事業継続対策と節電は、事業の今後を左右する要因となりかねない。本稿では、停電に対してITシステムはどのように対策できるのか、節電のためにどう貢献できるのかを、全4回の連載で考えていく。

 

不安定な電力供給力による停電リスクに加え、電力料金も不安要素

 昨年の大震災後の計画停電と夏の電力使用制限令はビジネスと社会に大きな爪痕を残し、電力供給の不安定化への対応の必要性を、痛烈に実感させた。

 今夏は5月に全原発が停止して再稼働の見込みが不透明だったため、東北、東京、沖縄を除く7電力会社管轄エリアで電力供給不足が見込まれた。特に関西電力管内では14.9%の不足が見込まれ、15%の節電目標が掲げられた。また同電力に送電する中部・北陸・中国の各電力は5%、さらに九州電力は10%、北海道電力は7%の節電目標が設定された。その後、大飯原発の再稼働が決まり、供給力改善の見込みは立ったものの、再稼働後も関西電力は10%(フル稼動後は5〜6%)、中部・北陸・中国の各電力は3〜4%へと節電目標数値が緩和されるにとどまる(稼動状況を見て数値目標をなくす可能性はある)。

 電力料金値上げも4月から東京電力で始まり、今後も予断を許さない電力事情が続きそうだ。非常時の予期せぬ停電、計画停電に備えるとともに、今後懸念される電力料金のさらなる値上げの影響を最小限にとどめるよう対策が必要だ。

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長田 広海

長田 広海

フリーライター

専門家とアマチュアの間をつなぐメディエイターになりたいと思って早や15年。BtoB(Business to Business/企業間取引)のIT関連記事を中心に、Webメディア、各種書籍、雑誌に記事を提供している。

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