ペリー荻野の時代劇超入門(第3回)

暴れん坊将軍~時代劇界の“白馬に乗った王子様”

2015.01.09 Fri連載バックナンバー

 軽快なオープニングテーマとともに、海岸線を白馬で駆け抜ける人物といったら、暴れん坊将軍こと江戸幕府8代将軍・徳川吉宗だ。将軍自ら江戸各地で起きる事件を探り、天に変わって悪を討つという勧善懲悪ストーリー。

 

松平健主演の不滅の名作

 紀州徳川家の吉宗は、上にしっかり者の兄たちがいたため、跡取りには成らないであろうと、和歌山の山の中でのびのびと成長した。ところが、その兄たちが相次いで亡くなり、まさかの8代将軍に就任することとなった。史実でも善政をしいたとされる名君で、教科書でも目安箱や町火消しの設置、などで有名だ。

 ドラマ『暴れん坊将軍』では、その吉宗が毎回江戸城からお忍びで町へと脱出。貧乏旗本の三男坊・徳田新之介と名乗り、町火消し「め組」に居候。さまざまな事件を解決するというストーリーになっている。主演は「マツケンサンバ」でも注目を集めた松平健だ。ここ一番のときは「♪や~じろべえ~」などと甘い声で挿入歌を歌い、見事な剣裁きで悪を討つ。一昔前に流行った「マツケンサンバ」とはひと味違う魅力がある。

 物語のなかで吉宗は、自ら事件を探索する。悪徳商人や悪奉行などが密かに集合し、千両箱などを囲んで悪どい笑いを浮かべていると、響き渡る「悪事もそこまでだ」の声とともに飛んでくる「正義」と書かれた扇子。姿を現す吉宗が発する「余の顔見忘れたか!」の名台詞で一喝するのだ。「顔」だけで敵を圧倒する吉宗。史上最強の顔パスといえるだろう。

 

脇を固める個性的なキャラクターたち

 松平健演じる吉宗のまわりには個性的なキャラクターが多数登場する。… 続きを読む

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ペリー荻野

ペリー荻野

コラムニスト・時代劇評論家

1日3本の時代劇を観る生活を続けるコラムニスト。時代劇を中心に、テレビ業界全般に精通し、コラムニストとして活躍。時代小説の書評や時代劇主題歌CDの監修も手がける。おもな著書に『ちょんまげ八百八町』(玄光社)、『幕末志士列伝―英雄の陰に女あり』(ホーム社)、『このマゲがスゴい!! マゲ女的時代劇ベスト100』(共著・講談社)など。

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