山・海、そして酒 ~記者コラム(第1回)

危険な高齢者の登山、過信は命取り

2014.08.11 Mon連載バックナンバー

穂高登山再開のために

 一冊の本を読み返した。北杜夫の登山小説「白きたおやかな峰」である。長い間、絶っていた穂高登山を再開するためだ。この作品はヒマラヤ山脈の未踏峰ディランに挑戦する10人の隊員を描いたもので、作家は登山隊のドクターとして参加した。慣れない現地で病気や急変する天候などさまざまな障害をうけながらも頂上を目指す。

 中学3年の時、初めて読み、強い衝撃を受けた。山好きだった担任教師と友人の3人で韓国岳(からくにだけ、鹿児島県と宮崎県の県境)に3回、久住山(大分県)に2回登った。大学時代は“山男”のあだ名を持つ先輩とともに穂高連峰を夏2回、秋2回踏破した。涸沢から見る穂高連峰の朝焼けは大舞台に立っているような感動を受け、自然に涙がでてきた。

 4回登ったという「過信」が、極めて危険といわれる春登山に駆り立てた。上高地-明神池-徳沢-涸沢といういつものコースで単身スタートした。残雪に加え、雪が舞い、ガスが立ちこめた。予想外のことだった。… 続きを読む

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産経デジタル

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