グローバルスタンダード経営の検証(第3回)

成果主義の種を振りまいた富士通

2014.06.08 Sun連載バックナンバー

 グローバルスタンダード経営の検証に避けて通れないテーマは、「成果主義」である。日本型経営の見直しが始まった1990年代のかなり早い時期に日本で初めて成果主義を導入したのが富士通だった。年功序列から成果主義に代える伝道師役を果たし、90年代末から2000年代にかけてほとんどの日本企業が何らかの形で成果主義の要素を取り入れた。

 ITバブル崩壊に続く富士通の業績悪化に成果主義との関連が指摘された結果、同社は制度の運用を見直した。人事制度から成果主義の要素を排除して元の年功序列に戻した企業は少なく、富士通が撒いた生命力の強い「外来種」は、日本の風土でしぶとく生き残っている。

 富士通が成果主義に基づく「目標管理制度」を管理職対象に導入したのは93年。翌年には年俸制が裁量労働制とともに始まり、以後毎年のように制度の適用範囲や評価の仕組みを厳格化していく。97年に格付けを行う等級制度が幹部社員に導入された後、98年に一般社員に拡大、資格制度が廃止された。一般社員のボーナスに会社の業績が反映されるのもこの年だ。2001年には目標管理制度は成果評価に一本化され、成果主義は行き着くところまで行った。

 当初は他の企業でも人事や労務など関係部署で注目された程度だったが、一般に注目されたのは、富士通の業績が好調に推移、1997年に就任した秋草直之社長のカリスマ性にある。バブル崩壊の影響が長期化し、金融危機で日本経済の機能不全が叫ばれる中、年功序列型の評価や賃金体系が日本企業の競争力低下の主犯であるかのようにみられた。… 続きを読む

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産経デジタル

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