グローバルスタンダード経営の検証(第2回)

コミットメント経営が社風を変えた日産自動車

2014.05.07 Wed連載バックナンバー

 ソニーがグローバルスタンダード経営への転換に挑んだ企業なら、日産自動車はグローバルスタンダード経営を外から移植された企業だ。1999年3月、経営危機にあえぐ日産を買収したルノーは、カルロス・ゴーン氏(現CEO)をCOOとして送り込んだ。再建の手法は、経営者が株主や従業員、社会に業績回復の数値目標を「コミットメント」の形で宣言。荒業のリストラを断行し、達成の見返りにはけた外れの高額報酬を堂々と受け取った。だが、カリスマ経営者の象徴だったコミットメント経営は次第に色あせ、今期は自動車業界で「ひとり負け」の様相をみせる。

 コミットメントは「公約」「誓約」を意味するが、日産社内ではこれを「必達目標」と訳す。ゴーン氏が退路を絶って掲げた最初のコミットメントが「日産リバイバルプラン(NRP)」(99年10月発表)の完遂だった。

 今や伝説のNRPは、3年間で20%のコスト削減、村山工場はじめ国内組立3工場と部品2工場閉鎖などで構成され、人員削減2万1,000人と下請け企業再編を含めコスト削減効果1兆円を見込む過激なものだった。そのうえで、経営陣の必達目標として「2000年度黒字化」「02年度営業利益4.5%以上」「有利子負債残高99年比50%削減」と明示した。

 日本企業の経営者が、中期計画で数値目標を示すことはよくあるが、いわば努力目標であって、未達に終わっても退任を迫られたり、自ら辞任を公言したりすることはない。ゴーン氏は「必達」としてマスコミにも再三公言していた。もちろん自信があったからだ。… 続きを読む

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産経デジタル

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