全国名湯を巡る旅(第3回)

個性溢れる名湯が並ぶ、山陰の温泉を往く

2014.07.12 Sat連載バックナンバー

 山陰地方は温泉の世界でも必ずしも目立つ存在ではないが、西日本の中では一般的にレベルが高い。いい意味で俗化されていない温泉地も多く、これから気候がよくなる中、出雲大社や石見銀山、萩・津和野といった観光スポットも合わせた国内旅行では有力な候補にもなりそうだ。

 

地味な地帯で光る山陰の温泉

 日本国内では北海道から沖縄県まで、47都道府県すべてで何らかの温泉は湧いている。
 ただ、知名度・泉質の良さともに「名湯」と言われるものは北海道、東北、北関東、甲信越、そして九州に集中しているきらいがある。近畿地方(有馬温泉と紀伊半島を除く)や中国、四国地方(後者は一般的に『温泉不毛の地』と評されることが多い。有名な道後温泉も、泉質面での特徴はかなり薄い)では、温泉好きがこぞって向かうようなところは、なかなか少ないのが現状だ。

 こういった中で、個性が際立ったものを含めて名湯といえるラインアップが見受けられるのが山陰地方(ここでは鳥取、島根と山口県の一部を指す)だといえる。一般的には、鳥取県などを中心に冬季のカニと温泉のセットでイメージされることが多い地域だが、温泉そのものを優先する場合には、季節も場所も自由度は増す。

 

足元から湧いてくる「生まれたての湯」

 まず紹介したいのが、国道9号線を兵庫県側から鳥取県に入って間もない岩井温泉(岩美町)。数軒の旅館があるだけの小さな温泉町だが、ここにある老舗宿岩井屋は、近辺はもちろんのこと、全国的に見ても屈指の湯使いで知られる。

 岩井温泉の泉質は、「カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉」。刺激が強いわけでも、色や匂いで激しい特徴があるわけではない一方、肌が敏感な人にとっての突き刺すような感覚があったり、湯上り後に激しく湯疲れするという「マイナス面」も少ない。いってみれば、「だれにでも優しいお湯」だ。

 その中でも、岩井屋が幅広く知られているのは、… 続きを読む

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産経デジタル

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