経営者が知っておきたいビジネスの話(第11回)

オープンイノベーションを成功に導く6つのステップ

2016.03.28 Mon連載バックナンバー

 技術を自社で独占せず、他社へ提供したり、また逆に他社から提供を受けたりし、最終的にイノベーションを起こすことを「オープン・イノベーション」といいます。

 前回の記事では、オープン・イノベーションのメリットとデメリットを紹介しました。連載第3回目となる今回は、オープン・イノベーションを成功に導く方法を取り上げます。

 

オープン・イノベーションを成功に導くビジネスモデルとは

 オープン・イノベーションを起こすにあたっては、ビジネスモデルが重要な役割を果たします。ある企業がいかに優れた技術を開発したとしても、それ自身では価値があるとはいえません。技術はビジネスモデルと合わさって初めて市場から評価され、商品化することが可能になるのです。ここで、ビジネスモデルは企業の内外のイノベーションを結合する役割を果たしていくことになります。

 オープン・イノベーションを成功に導くビジネスモデルは、次の6つのステップを経て構築していくことになります。以下、順を追って見ていきましょう。

 

ステップ1:バリュープロポジションの明確化

 ビジネスモデルを構築する際にまず取り組まなければならないのが「バリュープロポジション」の明確化です。バリュープロポジションとは、顧客にとっての価値(Value)を提案する(Proposition)ことです。自社の開発した技術が、顧客のビジネスや生活をどのように変えていくのかを、わかりやすい言葉で説明できなければなりません。

 このバリュープロポジションを明確化する際には、小さな問題と大きな問題を区別して考えなければいけません。たとえば、「料理をする」というのは、日常の活動の一環であり、どの調理器具を選ぶかは、利用者にとは小さな問題といえるでしょう。一方で、料理を通してより健康な体を維持するということは、健康志向の世の中でより多くの人々にとって大きな問題となってきています。

 ここでバリュープロポジションとして、より大きな問題に対する価値提案ができれば、顧客に選ばれる可能性も高くなるといえます。つまり、「調理が手軽にできます」という小さな問題に対するバリュープロポジションよりも、「ヘルシーでおいしい料理が手間をかけることなく簡単にできあがります」という大きな問題に対するバリュープロポジションの方が、顧客の関心を引き、大きなビジネスにつながる確率も高くなるのです。

 

ステップ2:マーケット・セグメントを決める… 続きを読む

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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