異国でもふるさとの味を!海外日本食事情(第1回)

空前のラーメンブーム到来~マレーシアの日本食事情

2016.02.16 Tue連載バックナンバー

 マレーシアでは、ショッピング・センターなどの商業施設に行くと、何かしら日本食の店があります。私が最初にマレーシアを訪問したのは1993年のことですが、当時と比べると本当に増えたと感じます。日本食はなぜマレーシアの人にも人気があるのでしょうか。

 

日本食人気の担い手は、中国系マレーシア人

 「ねえ、チャワンムシって材料は何を使うの?」

 近所の有機食材店のウォンさんは中国系の女性。わたしが買い物に行くと、「そのソウメンは炒めて食べるの?」などと日本料理についてよく質問してきます。地元で出版されているレシピブックを参考にして自分でも作っているそうで、日本人が家庭で何を食べているのか興味津々の様子。茶わん蒸しは卵液をだしで割った後、網じゃくしでこすと教えてあげたら「そうだったの!お店で出てくるようになめらかにならないなあ、と思っていたの。今度やってみるわ」と喜んでいました。

 マレーシアの人口は約3,000万人(2013年)。67%がマレー人、25%が華人(中国からの移民の子孫)、インド系の住民が約7%、ほかに先住民族などが1割未満います(マレーシア統計局「人口と住宅調査2010年」)。それぞれに受け継がれてきた食習慣がありますが、日本食に関心が高いのは主に華人。イスラムの戒律により食べてはいけないものがあるマレー人に比べて食の禁忌がないこと、日常的に食べている中国料理が日本食と親和性があること、さらに健康に対する意識が高く、油が少なくヘルシーな日本料理によいイメージをもっていることなどが理由として考えられます。

 

高価なイメージのあった日本食がぐっと身近に

 クアラルンプール日本人会の会報誌によると、同会が活動をスタートさせた1960年代前半には日本食を食べられる店が街になかったそうです。1970年代に入って、ホテルの中に「大黒亭」「竹葉亭」(いずれも現在は閉店)などの日本料理店が開業しますが、日本人以外はマレーシアの王族や政治家、富裕層が顧客だったといいます(「マレーシア日本食品消費動向調査」日本貿易振興機構、2012年)。

 その後、日系企業が進出してきて日本人駐在員が増加するようになると、… 続きを読む

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川崎 典子

川崎 典子

ライター

マレーシア・クアラルンプール在住。出版社、国際協力NGO勤務などを経て、現在、編集・ライター。「海外書き人クラブ」会員。1990年代に1年超の長旅をしたのがきっかけで「歩く旅」にめざめ、以後20年にわたって東南アジアとかかわっています。これまでの訪問国は、アジア地域を中心に20か国以上。歴史や文化を軸に、東南アジアの食や手工芸などについて寄稿しています。

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