東北楽天ゴールデンイーグルスの飛躍(第2回)

嶋主将を支えるもの

2014.04.16 Wed連載バックナンバー

 「見せましょう、野球の底力を」。東北が未曾有の震災に襲われてから約1カ月後の2011年4月2日。東日本大震災の復興支援を目的に開かれた慈善試合でスピーチに立った東北楽天ゴールデンイーグルス(本拠地・宮城球場=仙台市)の嶋基宏捕手(29)が発したこの言葉は、先の見えない状況に置かれたままの東北の被災者たちに、野球選手としてできることをしていく決意を示し、希望を与えた。

 

天性の捕手が付けた強気

 後に、日本野球機構が用意していたスピーチは使わず、自分の言葉で語ったことを明かした嶋。被災地を本拠地とする球団として、他人事のように「頑張ってください」という訳にはいかないと感じたという横顔には、当時まだ26歳の若者とは思えないくらいの落ち着きと配慮がうかがえる。学生時代からコミュニケーション能力に優れ、高い洞察力を持った人物だったというが、天職ともいえる捕手の道を進み、プロ入りしても表現力にプレーに結果を出し続けている。

 そんな賢さが「外角一辺倒」というリードに現れて、投手の勢いを殺していたと、入団した年に監督だった野村克也氏が振り返る。チーム創設以来初となる13年の優勝は、ミスも成果もチーム全体で分け合うような雰囲気ができあがり、責任感の強さから勝負を逃げていた嶋のリードが強気に変わって、田中将大をはじめ投手陣を引っ張れたからだ。頭の良さに度胸が乗れば鬼に金棒。昨年は日本代表「侍ジャパン」の主将にも指名された。そんな嶋がマスクを被り続ける限り、14年も楽天は安泰と言えるのか?… 続きを読む

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産経デジタル

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