仕事術としてのビジネス文書(第1回)

「文書化」をサボる人は、自分も周囲もダメにする

2015.06.22 Mon連載バックナンバー

 仕事で文書を作成しなければいけない場面はよくありますが、余分な手間仕事だと感じて、テキトーに書いてしまったり、口頭による軽い説明で済ますなど、手抜きをしてしまうこともまたよくあります。

 しかし、文書作成をサボることは、仕事を継続していくうえで大きな損失となります。なぜなら、文書を作成することが、自分の経験や考えを棚卸しして整理する作業にほかならないからです。自分一人が文書作成の手間をかけることで、仕事を依頼した同僚、部下、あるいは外部協力先の人達といった多くの人達が繰り返してしまうかもしれない試行錯誤を、未然に省かせることが可能になります。

 つまり、文書作成は決して余計な仕事ではなく、これから発生するかもしれない余計な仕事を減らす作業と言えます。そのことについて、見ていきましょう。

 

文書化の手間を省くと、後の苦労が省かれない

 文書作成を避けている人は、実は一手間を惜しむが故に、かえって手間の掛かる事態を招いている可能性があります。

 職場で文書作成を非効率的な事だと考えている人は、思いついたらすぐに誰かに電話して指示を出したり、呼び出して打ち合わせを行ったり、あるいは何人もの人を集めて会議を開いたりすることを優先すべきだと考える傾向があります。

 この様な人は「まどろっこしい作業指示書や依頼書、作業手順書といった文書の作成を行っている暇があったら、さっさと誰かに仕事を割り振って作業を始めさせた方が、効率が良い」と考えているのでしょう。

 資料のコピーを依頼するような単純な仕事ならば、そのような方法で構わないでしょう。しかし、少々込み入った案件の場合は、まだ自分の頭の中でも整理できていない情報を周りに伝えてしまっているという事態に陥っている可能性があります。その結果、不正確で未整理な情報を受け取った相手に対して、各自がその情報を自分なりに解釈し直し、整理しなければならないという、負担を強いていることが多いのです。

 つまり、自分が苦労したことを、複数の人達にも繰り返させてしまうことで、苦労を数倍に増やしている可能性があるのです。

 

文書化は情報を整理し、苦労の拡散を防ぐ

 一方、作業指示書や手順書などを作成してから、文書によって関係者に作業依頼している人の場合は、… 続きを読む

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地蔵 重樹

地蔵 重樹

フリーライター

ニュースサイトやオウンドメディアなどのWebコンテンツや、書籍のライティングを行う。著書に『〈アウトライン記述法〉でA4一枚の文書がサクサクつくれる本』(日本実業出版社)などがある。

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