温故知新でビジネスを展望する(第1回)

松下幸之助、中内功、柳井正…価格破壊の歴史を辿る

2015.09.27 Sun連載バックナンバー

 ビジネス市場は、これまで数え切れないほどの価格破壊とイノベーションを繰り返してきた。本稿では、その源流ともいうべき大きな流れを、家電、流通、カジュアルという国内のビジネス市場を激変させた3つの革命から探る。

 

価格破壊とイノベーションの源流を探る

 現在のビジネス市場は、正に価格破壊とイノベーションの連続といっても過言ではない。ハンバーガーや牛丼といったファストフード、メガネや洋服といったモノ、パソコンやプリンタといったOA機器、写真の印刷やカラー印刷といったサービス、LCC(格安航空会社)や長距離バスといった交通機関に至るまで、あらゆる分野で価格破壊とイノベーションが繰り広げられている。

 本稿では、現在の商品やサービスの源流ともなり、近代日本のビジネス史上、極めて象徴的で大きなインパクトを与えた3つの革命を通じて、その変遷を振り返るとともにこれからのビジネスを展望する。

 

松下幸之助の家電革命

 価格破壊とイノベーションの源流は? と問われれば、松下幸之助の水道哲学を取りあげたい。水道哲学とは、「公園の水道水を誰でもタダで飲むことができるのは、その量が多く、価格があまりにも安いからであり、実業人の使命は、この水のごとく物質を無尽蔵に作ることによって、よりタダに近い価格で製品を提供することにある。そのことによって、初めて貧乏を克服することができる。宗教道徳の精神的な安定と、物質の無尽蔵な供給とが相まって、初めて人生の幸福が安定する。ここに実業人の真の使命がある」とする考え方である。

 この哲学に従い、松下電器(現パナソニック)は製品を次々と開発し、“家電三種の神器”と言われた白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫や、新三種の神器のカラーテレビやクーラーなどを、トップメーカーとして世に提供し続けてきた。

 松下幸之助は“経営の神様”と呼ばれ、松下電器も世界的企業と成長した。しかし、そこに立ちはだかった一人の男がいた。… 続きを読む

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峯 英一郎/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

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ライター・キャリア&ITコンサルタント

IT企業から独立後、キャリア開発のセミナーやコンサルティング、さまざまな分野・ポジションで活躍するビジネス・パーソンや企業を取材・執筆するなどメディア制作を行なう。IT分野のコンサルティングや執筆にも注力している。
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