京都の名庭園、その歴史と文化を愉しむ(第8回)

世界遺産が集まる、京都・きぬかけの路の庭園を巡る

2016.02.06 Sat連載バックナンバー

 京都にはさまざまな観光名所がありますが、社寺や名所にある庭園を巡る楽しさも見逃せません。長い歴史の間に造られた数多くの庭園があり、敷地の一部に作られた「坪庭(つぼにわ)」や、石や砂で山や水を表現する「枯山水(かれさんすい)」、池を中心に作庭する「池泉廻遊式(ちせんかいゆうしき)」などバラエティに富んでいます。

 それぞれの庭園には造られた時代の歴史や文化が反映され、ゆかりのある人々の想いが込められています。前回は京都の北西、「鷹峯(たかがみね)」エリアの庭園にスポットを当てましたが、今回は鷹峯の南に位置する「きぬかけの路」周辺を紹介します。

 

世界に知られる謎多き庭園「龍安寺」

 「きぬかけの路」とは、京都の街の北西にある道で、金閣寺龍安寺仁和寺という3つの世界遺産を結んでいます。衣笠山の山麓を通るため、沿道は緑に包まれており、またカフェや土産店も多いことから、多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています。

 このエリアでは、「龍安寺」の方丈石庭を紹介しないわけにはいきません。三方を土塀に囲まれた、わずか75坪の枯山水庭園ですが、国の重要文化財、史跡、特別名勝に選ばれています。1975年にイギリスのエリザベス女王が訪れたことで、海外でも非常に有名です。

 この庭園には、白砂の中に大小15個の石が配されており、それが虎が子を連れて川を渡っているように見えることから「虎の子渡しの庭」、「七五三の庭」とも呼ばれています。このデザインは、“大海や雲海に浮かぶ島々や高峰を表現している”という説や、“「心」の字をあらしている”という説など、さまざまな解釈がなされています。

 有名な庭でありながら、実は作庭年代と作庭者も不明。室町時代に再興された時に作られた、絵師の相阿弥が作庭した、茶人の金森宗和が作成した……などさまざまが説があり、実に謎の多い庭なのです。

 15個の石のうち、どこから見ても14個しか見えない作りになっている点も謎のひとつです。これには… 続きを読む

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高野 晃彰/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

高野 晃彰/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

ベストフィールズ代表

大手アパレルで店舗開発を担当、その後、専門誌系出版社で企画編集を中心に勤務、退社後、編集プロダクション「ベストフィールズ」とデザインワークス「デザインスタジオタカノ」を立ち上げる。旅行・歴史・フード・ペット・マリンスポーツなどのエンタメ系から経済、ファッションまで幅広い分野での書籍・雑誌・ムック・商業制作物の執筆、編集、撮影、制作を行なっている。

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