京都の名庭園、その歴史と文化を愉しむ(第6回)

文武に優れた武将が残した、京都紫野の庭園を巡る

2016.01.16 Sat連載バックナンバー

 京都にはさまざまな観光名所がありますが、社寺や名所にある庭園を巡る楽しさも見逃せません。長い歴史の間に造られた数多くの庭園があり、敷地の一部に作られた「坪庭(つぼにわ)」や、石や砂で山や水を表現する「枯山水(かれさんすい)」、池を中心に作庭する「池泉廻遊式(ちせんかいゆうしき)」などバラエティに富んでいます。

 それぞれの庭園には造られた時代の歴史や文化が反映され、ゆかりのある人々の想いが込められています。前回は京都の北東、一乗寺周辺の庭園を紹介しましたが、今回は一乗寺から北大路通を西に向かった、「紫野(むらさきの)」近辺の庭園にスポットを当てます。

 

大徳寺最古の塔頭に残る禅庭と石庭

 「紫野」と言われても、京都に馴染みのない人にはわかりにくい土地かもしれませんが、簡単にいえば、禅寺として有名な「大徳寺」周辺の地域のことです。京都駅から地下鉄で北へ向かい北大路駅で下車、大徳寺を目指して西へ少し歩くと、「紫野門前町」、「紫野石龍町」のような、「紫野~町」という地名が出てきます。

 紫野の観光名所といえばもちろん大徳寺ですが、庭園を楽しむのであれば、その周辺の寺院がオススメです。

 まずは、大徳寺の南にある「龍源院」を紹介します。ここは文亀2(1502)年に誕生した寺院で、能登(石川県能登地方)の領主・畠山義元や、豊後(大分県)の領主・大友義長ら有力な守護大名が、東渓禅師という僧を開祖として創建したものです。重要文化財に指定されている方丈(住職の居室)は、室町時代の禅宗方丈建築として、我が国の建築史において特筆すべき遺構として貴重なものとされています。

 龍源院の庭園は方丈を中心として、南には2つの島を配した「一枝坦」(いっしたん)、北には3つの石が立つ「龍吟庭」、東には坪庭(建物と建物の間にある小さな庭)の「東滴壺」(とうてきこ)という、3つの庭園があります。さらに書院南軒の先には、… 続きを読む

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高野 晃彰/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

高野 晃彰/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

ベストフィールズ代表

大手アパレルで店舗開発を担当、その後、専門誌系出版社で企画編集を中心に勤務、退社後、編集プロダクション「ベストフィールズ」とデザインワークス「デザインスタジオタカノ」を立ち上げる。旅行・歴史・フード・ペット・マリンスポーツなどのエンタメ系から経済、ファッションまで幅広い分野での書籍・雑誌・ムック・商業制作物の執筆、編集、撮影、制作を行なっている。

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