京都の名庭園、その歴史と文化を愉しむ(第5回)

家康の元を突然去った武将が愛した、一乗寺の庭園

2015.12.20 Sun連載バックナンバー

 京都にはさまざまな観光名所がありますが、社寺や名所にある庭園を巡る楽しさも見逃せません。長い歴史の間に造られた数多くの庭園があり、敷地の一部に作られた「坪庭(つぼにわ)」や、石や砂で山や水を表現する「枯山水(かれさんすい)」、池を中心に作庭する「池泉廻遊式(ちせんかいゆうしき)」などバラエティに富んでいます。

 それぞれの庭園には造られた時代の歴史や文化が反映され、ゆかりのある人々の想いが込められています。前回は三条通以北の平安神宮・銀閣寺周辺の庭園を紹介しましたが、今回は更に北にある「一乗寺」近辺の庭園にスポットを当てます。

 

家康の元を突如去った武将・石川丈山の美意識が凝縮された庭

 「一乗寺」とは、京都の市街地の北東に当たる地域で、京都と比叡山を結ぶ鉄道「叡山電車」の一乗寺駅近辺のことです。近年では人気のラーメン店が集う“ラーメン街”として有名ですが、山側には美しい庭園を備えた寺院が集まっています。

 まずは「詩仙堂」から紹介しましょう。詩仙堂は、徳川家康の寵臣で文武両道の士といわれた武将・石川丈山(いしかわじょうざん)ゆかりの寺院。丈山は大阪夏の陣で、手柄を立てながら軍令に背いたことで謹慎を命じられてしまい、それがきっかけで突如家康のもとを去り、俗世間との関わりを捨て「隠者」(いんじゃ)としての生活を送った人物。その丈山が59歳の時に造営し、90歳で没するまで、ひたすら清貧と風流の中で生活を送ったのが詩仙堂です。

 “詩仙”という名の由来は、… 続きを読む

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高野 晃彰/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

高野 晃彰/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

ベストフィールズ代表

大手アパレルで店舗開発を担当、その後、専門誌系出版社で企画編集を中心に勤務、退社後、編集プロダクション「ベストフィールズ」とデザインワークス「デザインスタジオタカノ」を立ち上げる。旅行・歴史・フード・ペット・マリンスポーツなどのエンタメ系から経済、ファッションまで幅広い分野での書籍・雑誌・ムック・商業制作物の執筆、編集、撮影、制作を行なっている。

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