京都の名庭園、その歴史と文化を愉しむ(第3回)

室町・桃山・江戸時代が融合、京都東山の庭園

2015.11.19 Thu連載バックナンバー

 京都にはさまざまな観光名所がありますが、社寺や名所にある庭園を巡る楽しさも見逃せません。長い歴史の間に造られた数多くの庭園があり、敷地の一部に作られた「坪庭(つぼにわ)」や、石や砂で山や水を表現する「枯山水」(かれさんすい)、池を中心に作庭する「池泉廻遊式(ちせんかいゆうしき)」などバラエティに富んでいます。

 それぞれの庭園には造られた時代の歴史や文化が反映され、ゆかりのある人々の想いが込められています。前回は二条城周辺の庭園を紹介しましたが、今回は東山地区にスポットを当てます。

 

桃山時代と江戸時代が融合する「利休好みの庭」

 今回紹介する「東山」とは、京都の東側、京都市東山区を中心とした地区のことです。その名の通り山がたくさん連なっていますが、山の麓には多くの神社・寺院があり、多くの観光客が訪れています。

 最初に紹介する「智積院(ちしゃくいん)」は、豊臣秀吉が愛児・鶴松の死を弔うために建立した祥雲禅寺を前身としています。元和元(1615)年に、徳川家康が玄宥という僧に寄進して「智積院」と改名しました。国宝に指定されている長谷川等伯らの障壁画でも知られます。

 大書院前に広がる細長い庭は「利休好みの庭」と伝えられ、中国の廬山を模って造られた池泉式庭園です。

 正面右側にみえる石橋より奥は祥雲禅寺当時のもので、自然石のみを用いて刈り込みを主体とした構成。桃山時代の貴重な遺跡ともいえる部分です。それ以外は江戸期に作られたもので、江戸時代の作風である石組みと植え込みが交互に並ぶ、洗練された美しさとなっています。

 この庭園の鑑賞法は、… 続きを読む

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高野 晃彰/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

高野 晃彰/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

ベストフィールズ代表

大手アパレルで店舗開発を担当、その後、専門誌系出版社で企画編集を中心に勤務、退社後、編集プロダクション「ベストフィールズ」とデザインワークス「デザインスタジオタカノ」を立ち上げる。旅行・歴史・フード・ペット・マリンスポーツなどのエンタメ系から経済、ファッションまで幅広い分野での書籍・雑誌・ムック・商業制作物の執筆、編集、撮影、制作を行なっている。

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