最先端の経済インテリジェンス(第2回)

誰も知らない情報を掴む「インテリジェンス」とは

2016.02.27 Sat連載バックナンバー

 意思決定の拠り所として「インテリジェンス」が注目されている。このインテリジェンスは、日本人が戦前から備えていた力でもある。今回は、インテリジェンスの役立て方について考察する。

 

インテリジェンスとは「知性」ではなく「諜報」のこと

 “インテリジェンス”という言葉が、このところビジネス書で多く見かけられる。ここでいう「インテリジェンス」という言葉は、直訳の「知性」という意味ではなく、どちらかというと「諜報活動」という意味になる。たとえば国家の首脳などの重要な人物が意思決定のよりどころにする情報も、インテリジェンスに当てはまる。

 このインテリジェンスという言葉が広まったのは、元外交官で作家の佐藤優氏の功績が大きい。同氏は、ソ連の崩壊からロシア連邦の誕生を外交官として目の当りにし、北方領土の返還交渉に深く関わった一方で、鈴木宗男代議士の疑獄事件で逮捕されるなど、稀有な体験の持ち主だ。厳しい環境を生き抜いてきた氏の卓越したインテリジェンスにはサラリーマンも学ぶところが多い。

 それでは実際にビジネスの現場では、どのような“インテリジェンス”が必要となるのだろうか。

 

インターネットでは得られない情報をどうやって得るか

 ビジネスの現場で求められるインテリジェンスとしては、まずは「物事を正確に把握すること」が欠かせないだろう。

 国家の首脳が決断を下すように、企業経営者や個人も重要な意思決定をする場面がある。重要な意思決定をする際に必要になってくるのは、競争企業の動向かもしれないし、消費者や顧客のニーズかもしれない。孫子の言葉に「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」とあるように、正しい情報を慎重に分析し、的確に情勢を理解することが、インテリジェンスを活かす第一歩だといえる。

 そこでポイントとなるのが、“どのように情報を得るのか”という点だ。一般的に、新聞や図書を読んだり、インターネットから情報を集める公開情報調査(オープンソースインテリジェンス)は「オシント」と呼ばれ、情報収集における基礎的な方法として知られている。その一方で、… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

上杉 学

上杉 学

ライター

家電業界紙やITニュースサイトなどを中心に、経済・産業分野で、10年以上の経験を持つ編集ライター。大学で環境科学を学んだ後、英国で学んだ政治経済学の知識なども基に、広い分野で執筆活動を展開している。

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter