目的なき戦術に頼ってないか?戦略と戦術の違い(第2回)

“気合いで売り上げを上げろ!”ではリーダー失格

2015.08.20 Thu連載バックナンバー

 「戦略」と「戦術」の違いをご存じでしょうか。「戦略」とは組織として何をするか決めること、「戦術」とは組織としてどのようにするか決めることです。前回は、「戦略」と「戦術」が決まれば会社が向かうべき方向が決まるので、社員の行動を目標点に収束させ、最大限注力できるというメリットについて説明しました。

 しかし、多くの会社で「戦略」と「戦術」の不在が依然として見られています。この理由は明確で、わざわざ「戦略」と「戦術」を決めなくとも、やる事はあるからです。

 負けた時・失敗したときに、商品が悪かった、努力が足りなかった、運が悪かった……等の言い訳はいくらでも考えられます。しかし、「戦略」と「戦術」のこの点が悪かったからだと話し合える会社は恐らく少ないでしょう。

 

「戦術」よりも「戦略」の方が重要な理由

 今回は、「戦略」と「戦術」のどちらが大切か、について説明します。答えは明白で「戦略」、つまり“会社として何をするか”ということです。

 「戦術」は、言ってしまえばそれを如何に成し遂げるかの手段を考えるだけであり、候補となる代替手段は他にもあるからです。一方、「戦略」とはいくつも候補はありますが、おおよそ1つに絞られるものです。「戦略」あって初めて「戦術」が機能します。

 戦術よりも戦略が重要であることの根拠として、私がコンサルティングをしたA社についてお話をしましょう。

 A社は新規参入企業で新商品を出そうと、3つの商品(X、 Y、 Z)を開発しました。コンサルティングに始めて伺ったときに、この商品の売り先 (顧客)は誰ですか?と聞きました。答えは「Xは経験者向けです。Y、Zは初心者向けです。」と回答してくれました。“なるほど、売り先を考えて商品を開発したんだな”と納得してはいけません。「誰に売るか (どう売るか)」は確かに大切ですが、その前にこの会社は根本的な間違いを犯しています。

 A社は社員5名の中小企業、後参入の典型的な「弱者」です。しかもその市場は価格競争も始まっている典型的なレッドオーシャン市場(“血で血を洗う”ほど、激しい価格競争が行われている市場)です。そんな中でA社が商品を売り出して買う人が一体どの程度いるのでしょうか。

 “営業を頑張る”?  “気合で売り上げを上げる”? そんな考えでは組織のリーダーとして失格です。この場合にはA社は市場で弱者であることを自覚しつつ、その弱者でも勝てるように「戦略」考えなければならないのです。この例が戦略の不在の典型例です。… 続きを読む

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村上 哲也

村上 哲也

コンサルタント兼ライター

ゼロベースでのコンサルタントには定評があり、担当する顧客とは「戦略」から始め「戦術」まで実行させる本格派。2013年より本業の合間にライター業務も行っており、コンサルタント関係に留まらない幅広い記事の記載を行っている。http://midorinooka2014.wix.com/business-consulta-jp

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