古典に学ぶ、組織の対人関係(第3回)

「呻吟語」に学ぶ、部下との正しい付き合い方

2015.08.03 Mon連載バックナンバー

 「理想論ばかり読んでも役に立たない」――。人との付き合い方に関する本を読んで、そのように思われたことがあるかもしれません。しかし、今回ご紹介する中国の古典「呻吟語(しんぎんご)」は、部下との付き合い方において実際に役に立つ古典です。

 著者である呂新吾(りょしんご、または呂坤[りょこん])は、16世紀の中国において、県知事などを務めた官僚で、組織、上司、部下、周囲の人々との問題を、自分が実際にどのように解決したのかを教えてくれます。そして、語られる内容は現代にも役立つものばかりです。上司として、部下と上手く付き合い要点を学びましょう。

 

デキる部下ばかりが集まるわけじゃない

 上司なら、有能な部下を集めて仕事をしたいと思うのが当然です。しかし、現実にはそういうケースはほとんどありません。そのような場合、多くの上司が仕事が「デキる部下」を基準に考えるでしょう。そして、ついつい自分でも気づかないうちに、仕事のできる部下とそうでない部下に対してかなり違う態度で接してしまうでしょう。そうなると、仕事が上手く行かない部下は上司の顔色ばかり伺うようになります。

 そうならないための心構えを、呻吟語が次のように教えてくれます。

「駱駝(らくだ)は百鈞(中国の重量の単位)もの重さを背負うことができるが、蟻はわずか一粒のものしか背負うことができない。それで駱駝も蟻も全力をつくしているのである。象は数石もの水を飲みほすが、鼠はわずか一勺の水しか飲むことができない。それで象も鼠も腹一杯に飲んでいるのである。君子が人を使う場合、必ずしも同じような実績を期待しない。相手がそれぞれの長所を発揮できるようにしむけるのである。(抜粋)」

 これは部下について、それぞれが自分の精一杯仕事をしようとしている事を上司が理解した上で、各部下ができる範囲でどのような仕事を与えることが重要であることを教えてくれます。

 さらに、仕事に対する適性を考える場合の要点も次のように述べています。… 続きを読む

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荒尾 つよき

荒尾 つよき

フリーライター

起業&経営資料作成所(http://www.asian-consultants.com/)を運営。起業や経営に必要な会計、営業、経営課題解決に関わる内容を執筆している。

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