古典に学ぶ、組織の対人関係(第2回)

菜根譚に学ぶ、部下の正しい褒め方と叱り方

2015.07.17 Fri連載バックナンバー

 部下を育てるとき、叱ったり褒めたりするでしょう。特に、叱り方については書籍を読んだり、自分を育ててくれた先輩の真似をしたりと工夫をする方が多いですが、褒め方については、「どのような褒め方でもよく、とりあえず褒めれば部下は喜ぶだろう。」と考えてはいませんか?

 このような考え方では、将来的に部下との関係が上手くいかなくなる可能性があります。今回は中国の古典、菜根譚(さいこんたん)から、部下の叱り方と褒め方、特に褒め方を中心に学びましょう。

 

叱り方と褒め方は最初が肝心

 上司として初めて部下を叱る、あるいは褒める時に注意していることはありますか? 最初の対応が肝心であり、ここを間違えると部下との関係が将来的に上手くいかなくなる可能性もあります。

 菜根譚では、褒め方と叱り方について次のように説いています。

「恩恵を施すにあたっては、はじめは少なめにして、次第に多くすべきである。もし、逆にすると、相手はせっかくの施された恩恵を忘れて不満に思うだろう。威厳を示す場合は、はじめに大いに厳しくしておいて、あとで優しく扱うとよい。もし、はじめに優しくして、あとで厳格な扱いをすれば、相手はその厳格さに耐えかね、恨みを抱くようになるだろう。(抜粋)」
※ここでの恩恵とは、褒めることや会社での待遇をよくすること、威厳とは、叱ることや会社での罰則を与えると考えてください

 会社でいえば、上司が部下のためを考えて、昇給や待遇改善の配慮を行っても、そのような事には限度があります。上司からすると、部下に対していろいろと配慮をしたと満足しますが、部下からすると「最初は昇給や休暇について考慮してくれたのに、最近はそのような話もしない。自分のことを気に入らなくなったのだろう。」と、部下はそれまでの恩を忘れるでしょう。

 また、最初は部下に優しくして次第に叱るようになると、部下からすると「あの上司は自分に優しいと思っていたが、最近では嫌がらせのように怒るようになった。」と恨みを抱くようになるでしょう。

 そうならないためにも、菜根譚の教えである「恩恵を施すにあたっては、「はじめは少なめにして、次第に多くする。威厳を示す場合は、はじめに大いにきびしくしておいて、あとで優しく扱う」というやり方を実践すべきでしょう。

 ただし注意する点が1点あります。最初からあまりにも厳しく叱ると部下はやる気も失いますので、上手な叱り方をしなければなりません。菜根譚では、この点についてもよい方法を教えてくれます。

 

失敗の過程には評価できる部分もある

 最初からあまりにも厳しい態度で部下に接することは必要ですが、あまりにも追い詰めるような叱り方をして、やる気を失わせたり、会社を辞められても困りますので良い方法とは言えないでしょう。

 しかし、厳しい印象も与えなければなりません。そこで、菜根譚は次のように説いています。… 続きを読む

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荒尾 つよき

荒尾 つよき

フリーライター

起業&経営資料作成所(http://www.asian-consultants.com/)を運営。起業や経営に必要な会計、営業、経営課題解決に関わる内容を執筆している。

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