大人のユーモアを学ぶ

世界でビジネスするなら「ウッドハウス」を読むべし

2015.06.02 Tue連載バックナンバー

 日々忙しく仕事をする中で、ユーモアを忘れてしまってはいませんか? 一見ビジネスとは関係の内容にも思えるユーモアですが、他人とのコミュニケーションを円滑にする上で大きな効力を発揮し、また笑うことで自身のストレス解消にもつながります。

 今回はユーモアを知るためのヒントとして、世界中で人気の小説家・ウッドハウスを紹介します。

 

“サー”の称号を与えられた喜劇小説家

 ウッドハウスは、既に英語圏では知らぬ者のないほどに広く知られた、世界随一のユーモア小説家です。そのため英米人の日常会話や文章の中にはごく自然に、そのキャラクター達やウッドハウス流の表現が顔を出します。

 ウッドハウスの本名は、ペラム・グレンヴィル・ウッドハウス(Pelham Grenville Wodehouse)といい、1881年イギリスに生まれ、1975年にアメリカからあの世へと旅立ちました。生前にはオックスフォード大学から名誉文学博士号を授与されていますし、冥途の土産にサーの称号(Sir、イギリスの叙勲者に与えられる騎士の称号)を受けています。

 ウッドハウスは74年の長きに渡って、70以上の長編と300以上の短編作品を書き上げましたが、その中でも、天才執事ジーヴスとその主人であるバーティ・ウースター(Jeeves and Wooster)の二人組は、母国イギリスにおいて「ホームズ&ワトソン」に並ぶ人気者です。日本でも訳書が刊行されているほか、マンガ化舞台化もされています。

 

ウッドハウス作品のユーモアとは

 ウッドハウスの作品は、緻密なプロットとブレない人物像を主旋律として、随所にちりばめられる比喩や引用句の数々に彩られています。これこそが、ウッドハウスの魅力です。

 先ほど挙げた天才執事ジーヴスの作品で見てみましょう。主人公のバーティー・ウースターは、オツムのレベルが「雄クジャク並」で、徹底的にやることなすことヘマばかりです。ヘマが更なるヘマを呼び、作中で必ず絶体絶命に陥ります。これは推理小説の謎が謎を呼ぶ展開と全く同じ手法です。それもそのはず、ウッドハウス作品の展開の巧みさは、当時の推理小説に影響を与えていたほどです。もちろん最後に必ず、バーティーに仕える天才執事ジーヴスが救い出してくれるのですが、ジーヴスの頭脳の冴えを際立たせるように、様々な伏線が張り巡らされています。

 その伏線の特徴的なものは、… 続きを読む

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名田 庄子

名田 庄子

フリーライター

2014年より執筆活動を開始し、目下のところウッドハウス中毒ながら、法務を中心に幅広い分野で執筆をしている。

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