親日国世界一決定戦!(第1回)

日本語を習い、日本食を味わう~シドニーの親日事情

2015.03.18 Wed連載バックナンバー

「こんにちは~。日本の方ですね?」

 市営プールの更衣室で息子と話していると、後ろから小学生くらいの日本語の声が聞こえて来た。慌てて振り返ったが、そこには日本人らしき少年は一人もいない。さては座敷わらしか……と肝を冷やす経験は、オーストラリア在住者なら必ずしていると思う。

 白人の少年がにこやかに笑いながら話しかけてきた。

「私の名前はジョンです」

 

小学校から日本語を学ぶ子どもたち

 こういう話を書くと、発展途上国などへの旅行経験が多い人は「そうか。片言の日本語で物売りをする少年の話だな」と思われるかもしれない。「社長サン! 安イヨ、安イヨ」的なアレだ。だが市営プールの少年は一味違っていた。

「イチ、ニ、サン、シー、ゴー、ロク、ナナ、ハチ、キュウ、ジュウ。はい、さようなら」

 そして何も売らずに去っていく。一から十まで数えるのに何の意味があるのかと一瞬疑問に思ったが、とりあえず「自分は日本語を話せるぞ」ということを披露したかったのだろう。

 日本で小学校から国際教育があるように、オーストラリアの小学校にも外国語の授業がある。学校によって違うが公立では五年生、私立だと三年生くらいからはじめるところもある。

 さて、その外国語では何が習われるか。学校によって違うのだが、じつは日本語は中国語やフランス語、ドイツ語などと並んで多いのだ。最近は統計を発表していないが、2000年頃までは日本語が一番だった。当時は日本が最大の貿易相手国だったからだが、今ではもしかしたら中国語のほうが多く習われているかもしれない。おそらく日本語を習うのは全人口の20パーセント程度だと思う。

 外国語が必須なのは中学生までなので、日本語で会話が成り立つレベルの人に会う確率はそう高いわけではない。ただ大学のジャパンクラブ(日本が大好きな人たちと日本人留学生などの集まり)では、近頃のいわゆる「ギャル語」が混ざらないため、私のようなオジサンにもわかりやすい日本語を話すオーストラリア人学生がちらほらいる。

 

完全に浸透した日本食… 続きを読む

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君田 亜礼

君田 亜礼

海外書き人クラブ所属

慶應義塾大学卒。オーストラリア在住は15年を超える。自ら執筆する他、リライトの職人でもある。リライターとして参加した書籍は『値段から世界が見える! 日本よりこんなに安い国、高い国』(朝日新書)など多数。

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