メディアをタダで使う方法~間違いだらけの企業PR(第2回)

新聞記者に自社のPRを取り上げてもらう方法とは

2015.03.11 Wed連載バックナンバー

 企業がより安価かつ効果的にPRする方法について、3回にわたって解説していく当連載。初回では、新聞、しかも社会部や地方紙を狙うのが効率的と説明した。

 第2回目では、新聞に取り上げられやすいPR戦略を説明する。新聞記者の仕事を正しく理解した上で付き合えば、その距離は近くなり、取り上げられる機会も多くなるだろう。

 

新聞記者は忙しい

 どうすれば新聞記者に取り上げられやすいのか。それには、新聞記者の仕事を知る必要がある。筆者の地方支局時代の一日を振り返ってみよう。

 午前9時半、県庁内の記者室に出勤。ここには県政記者クラブ、経済記者クラブに所属する記者らの専用机があり、壁などの仕切りは特にない。また、記者会見や記者発表を行うスペースも用意されている。

 机の横に鞄を置き、レターボックスに入ったプレスリリース(報道資料)をチェック。その内容も踏まえた上で、一日のスケジュールを確認する。この日の取材予定は、午前11時から地元電力会社トップの記者会見、午後3時半からは災害時における県と大手企業との協定。前者は写真を添えて25行、後者は協定内容が珍しいので写真付き50行の地方面トップでどうかと、デスクに打診してみよう。

 夕刊の締め切りが終わった午後2時。次の取材まで少し時間があるので、県内のとある政党事務所へ足を伸ばす。近々選挙があるため、その情勢を探るためだ。この日は雑談の中から候補者が苦戦しており、応援のため東京から大物政治家が来県するという情報を得た。

 午後4時。県庁内での取材を終えて記者室に戻ると、何やら慌ただしい。広報担当の県職員に尋ねると、どうやら県職員の不祥事があったようだ。さっそく取材を進め、短い原稿にまとめた。

 午後6時。ようやく一段落したこの時間帯は、NHKニュースを流しながら、締め切りが近い連載の原稿を書き進める。

 午後9時、支局から地方面のゲラ刷りが送られてきた。誤字脱字、事実関係の誤りがないか、赤ペンを手に何度も何度も確認する。取材先と飲みに行くことも多いが、この日は支局に戻り、経費精算などの事務や、翌日の打ち合わせ。そしてようやく帰宅。事件や事故取材で呼び出されないことを祈りながら就寝する。

 

新聞社の取材体制… 続きを読む

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田中 森士

田中 森士

戦略PRコンサルタント・熊本市社会教育委員

熊本大学大学院で消費者行動を研究した後、県立高校の常勤講師(地理・歴史)、全国紙記者を経て、現職。地元・熊本に軸足を置きつつ、全国で活動している。企業PRやまちおこしのプロジェクトに携わるかたわら、「伝え方」をテーマにした高校での講演や、これからのPRを考えるWEBマガジン「PR NEXT」の運営もこなす。http://pr-next.com/

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