その時日本は? 2035年を予想する(第3回)

2035年の「食」~絶望的な食料不足にどう対応するか

2015.01.28 Wed連載バックナンバー

 2035年の食卓には、明暗二つのシナリオがある。「暗」は世界の食糧事情が悪化し、輸入に頼る日本では配給制すら検討されるようになる、というもの。「明」はさまざまな技術の進歩により、それをカバーできるようになる、というものだ。

 20年後の日本はどのような国になっているのか。第3回目は「食」の未来を予想する。

 

それでも不安が募る「自給率39%」の意味

 農林水産相の試算によると、日本における2010年時点の食料自給率は39%にとどまるという。穀類27%の他、畜産物も輸入飼料に頼っている分を計算し直せば、16%にまで落ち込む。

 経済学の見地からは、「自給するより、広く購入する方が理にかなっている」との見方も示されているが、2035年には世界人口が87億人に達し、温暖化による干魃や海面上昇により、GDPの約20%が失われる、という試算もある。失われるGDPの中で、農業など食料関係の比率はかなり高い。そうなれば、世界的に食料が不足する中、食料を購入しようにも購入先が見つからない可能性は否定できない。

 また日本は世界最大の食料輸入国であり、農水省統計によると2013年の輸入量は8.9兆円に上る。これは米国、中国、ドイツに次ぐ世界第4位の多さだが、上位各国は輸出もそれなりに多いため、輸入への依存度を測れば、突出した1位となる。

 一方、1984年には11.7兆円あった国内の農業総産出額は、ほぼ右肩下がりで減少し続け、2013年には8.2兆円にまで落ち込んでいる。農家の高齢化が進み、耕作放棄地などが増える中、補助金政策など小手先の策ではなく、株式会社化の容認など、抜本的な策がなければ、この流れは変わらない。

 かなり高い可能性で起きるであろう世界的な食糧難が発生すれば、日本国内では食べ物が不足し、最悪の場合には配給制度や、飢饉といった事態も起こりうる。

 

文化の壁を越えれば実現可能な昆虫食

 少子高齢化により、経済的な縮小が見込まれている日本にとって、この食糧難を回避する方策は、限られている。その一つが新しい技術による救済だ。… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

谷垣 吉彦/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

谷垣 吉彦/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

フリーランスライター

アダルト層向け商品の販促プランニングや、経営・医療系書籍の企画・立案・執筆など、幅広い分野でライターとして活動する。大阪ミレニアムミステリー賞を受賞するなど、エンターテイメント分野での実績も評価されている。

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter