リコール問題に見る教訓

タカタのリコールから日本企業の失態を振り返る

2015.01.15 Thu連載バックナンバー

 自動車部品メーカー「タカタ」が製造したエアバッグをめぐる一連のリコール問題が、地球規模へと広がりをみせている。同社のエアバッグを使用しているホンダは、全世界で原因の調査を目的とした調査リコールを行う方針であるほか、マツダも全米で調査リコールを実施することを決めた。

 一方でタカタの対応は遅い。エアバッグが原因とみられる事故でこれまでに3人が死亡している米国では、下院の公聴会が開かれ、「何人死者が出ればリコール(回収・無償修理)を実施するのか」「タカタの対応には失望した」と非難の嵐が吹き荒れている。

 

繰り返される過ち

 そうした事態を見るにつけて思うことは、なぜ日本の企業は同様の過ちを繰り返すのか、なぜ過去の事例を教訓としないのか、ということだ。

 米国では2006年、ソニー製のパソコン用リチウムイオン電池に発火の恐れがあるとして、この部品を使用していたアップルなどがリコールを実施した。だが消費者の不安は収まらず、厳しい批判は情報開示や対応が遅れたソニーに集中。結局、ソニーは事態の鎮静化を図るため全面的なリコールを決定することになった。

 09年から10年にかけてのトヨタのリコール問題も同様だった。当初、トヨタは「電子制御システムに問題はない」していたが、この対応に批判が集中。最終的には電子制御システムに欠陥が見つからなかったことが米当局の調査で明らかになった。だが情報開示の遅れが結果として同社の業績を著しく圧迫することになったのは記憶に新しい。

 こうした教訓がありながら、タカタはまた同じ過ちを繰り返している。まず必要なことは「消費者の安全、安心」がコストに優先するという意識の徹底だ。そのことを念頭に、ここで危機管理広報の数少ない成功例と言われる「タイレノール事件」について触れたい。… 続きを読む

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産経デジタル

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産経新聞グループ各媒体のウェブサイト運営、ポータルサイト・モバイル端末などへのニュースコンテンツなどの配信を手がけています。ウェブでも国内最大級のニュースサイト「MSN産経ニュース」などを運営する産経新聞グループの記者が「Bizコンパス」のために書き下ろした、ここでしか読めない記事です。

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