ビジネスの局面に覚えておきたい「使える知識」(第4回)

今注目の投資指標「ROE」は本当に使えるのか?

2015.05.07 Thu連載バックナンバー

 経営者や管理職層の方々にとって、自社がどれほどの利益を上げているのかを数値で把握することは、言うまでもなく重要です。そのための指標としてROE(自己資本利益率)を用いている企業もあるかもしれませんが、実はROEでは正しく利益率を測れていない場合があるのです。

 それでは企業の利益率を正しく測るためにはどうしたらいいでしょうか。そのためにはまずROEを正しく理解し、自社に合った方法で測定する必要があります。早速その方法を見てみましょう。

 

ROEの落とし穴

 まずは、ROEがどんな指標なのか、基本的な情報からお話ししましょう。

 ROEとはReturn On Equityの略で、日本語では「自己資本利益率」とも呼ばれ、自己資本を使ってどれだけの利益を上げることができたのかを表す数値です。

 ROEの数値は「ROE(%)=当期純利益÷自己資本×100」という式で求めることができ、投資家の間では「10%以上」あれば、効率的な経営ができているとされています。しかし、これで「効率経営ができている」と考えてよいのは、上場企業や近い将来上場を考えている企業など、ほんの一握りだけに過ぎません。

 経営者にとって「効率よく利益を上げられる会社にしたい」ということは永遠のテーマと言えるでしょう。だからこそROEを計算してみたくなるという気持ちはわかるのですが、ROEには落とし穴があるのです。

 その落とし穴とは、ROEの計算方法にあります。先程ROEの計算式を紹介しましたが、実はROEの公式は次のように表すこともできます。

 ROE=売上高利益率×資産回転率×財務レバレッジ
 =(当期純利益÷売上高)×(売上高÷総資産)×(総資産÷自己資本)

 「財務レバレッジ」とは「自己資本と比べてどれだけたくさんの資産を持っているか」ということであり、「総資産÷自己資本」で求めることができます。この式から、(1)売上高利益率、(2)資産回転率、(3)財務レバレッジのそれぞれ上げれば、ROEが向上することがわかります。

 売上高利益率や資産回転率を上げることは、高利益体質にするための必須条件です。ただ、ここで問題になるのが「財務レバレッジ」です。… 続きを読む

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横山 研太郎

横山 研太郎

ねこのてFP事務所 代表

富士通株式会社退職後、メーカーの経営サポート等を行う。現在は、ファイナンシャル・プランナーとして、資産運用を柱としたアドバイスをするだけでなく、学生への金融教育にも取り組んでいる

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