元校長が語るリスクマネジメント

校長先生に学ぶ、公的機関のリスクマネジメント術

2015.02.04 Wed連載バックナンバー

 学校のトップである校長の頭の中の大半を占めるのは、リスクマネジメント。いじめ、非行、モンスターペアレント。学校が抱えるリスクは、数え上げればきりがない。しかしながら、学校への風当たりが強い現代では、リスクマネジメントこそ校長にとって最も重要な業務といえる。学校におけるリスクマネジメントについて、校長経験者に取材した。

 

県立高校校長の一日

 「校長の一日は忙しい」。60代の元県立高校校長はそう振り返る。

 午前7時15分に出勤し、同30分から校長室で教頭、事務長らと打ち合わせ。その足で職員朝会に臨み、職員らに一日の流れや注意事項を伝達する。校長室に戻ると、学校行事や部活動の大会参加申請などの決裁作業。PTAや同窓会の関係者、学校評議員など来客も多く、決裁を度々中断し、相談や雑談に応じる。

 作業が一段落すると、執筆に入る。進路便りやPTA新聞、同窓会の会報。さらには、入学式や全校集会、学校行事における挨拶原稿。執筆の機会は思いのほか多い。ほかにも、人事に関する職員面接に校内巡視、授業参観。教員の相談に乗ることも多く、また、問題行動があった生徒への指導を行うこともある。

 

校長に求められるリスクマネジメント力

 このように校長は多くの業務を抱えているわけだが、元校長は「今の時代の校長に最も求められるのはリスクマネジメント力」と話す。

 どの企業もそうであるように、学校もさまざまなリスクを抱えている。生徒に起因するものとしては、いじめや生徒の非行。教職員に起因するものとしては、情報漏洩や体罰などの不祥事。ほかにも保護者からのクレームや、インフルエンザの集団感染、授業中や登下校中の事故など、多岐にわたる。

 こうした問題は以前から起きていたものばかりだ。にもかかわらず、「学校における危機管理の重要性が特に叫ばれるようになったのは10年ほど前から」(元校長)という。一体なぜか。… 続きを読む

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田中 森士

田中 森士

戦略PRコンサルタント・熊本市社会教育委員

熊本大学大学院で消費者行動を研究した後、県立高校の常勤講師(地理・歴史)、全国紙記者を経て、現職。地元・熊本に軸足を置きつつ、全国で活動している。企業PRやまちおこしのプロジェクトに携わるかたわら、「伝え方」をテーマにした高校での講演や、これからのPRを考えるWEBマガジン「PR NEXT」の運営もこなす。http://pr-next.com/

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