不朽のビジネス書を読み解く

世界一売れたビジネス書『7つの習慣』とは?

2015.01.30 Fri連載バックナンバー

 “世界で最も売れたビジネス書”といえば、故・スティーブン・R・コヴィー博士の名著『7つの習慣』。1989年にアメリカで出版されて以来、全世界で累計3,000万部を記録。日本でも毎年のように改訂版や要約版が出版され、今なお売れ続けています。

 初版から35年の時が過ぎビジネスシーンが大きく様変わりした今でも、多くのビジネスパーソンがバイブルと仰ぐのはいったい何故なのでしょうか?

 

幸せな人生を送るための「普遍的な原則」を説く

 その理由としてまず挙げられるのは、同書が小手先のビジネステクニックではなく、いつの時代も変わらない「普遍的な原則」を説いているということ。それも、ビジネスにおける成功だけでなく、誰もがより幸せな人生を送るために必要な原則を「7つの習慣」としてまとめています。

・第1の習慣:主体的である
・第2の習慣:終わりを思い描くことから始める
・第3の習慣:最優先事項を優先する
・第4の習慣:Win-Winを考える
・第5の習慣:まず理解に徹し、そして理解される
・第6の習慣:シナジーを創り出す
・第7の習慣:刃を研ぐ

 各章の見出しだけをさらうと、とりわけ革新的なメソッドが書かれているわけではないように思えます。初版からかなり時間が経っていることもあり、提唱されているテーマ自体は現代のビジネスパーソンにとってはもはやスタンダードといえるものかもしれません。
しかし、各章を読み進めていくとその「当たり前」が単なるお題目ではなく、本当に必要なものであると実感できるのです。

 まず、第1の習慣「主体的である」。“主体性を持つ”という考え方自体はとりわけ目新しいものでもありませんが、同書では「主体性をもつことの意義」やそれによって「もたらされる価値」を、著者自身の体験談も交えつつ丁寧に紹介しています。同時に、そもそも定義が曖昧な「主体性」という言葉について深く考察し、「主体的である」ためにはどのような考え方を持ち行動するべきかを鋭く追及しているのです。

 私たちはつい自分が置かれた環境や条件といった外的要因に影響を受け、それに支配された行動をとってしまいます。たとえば、天気が悪いと気持ちがふさぎ、パフォーマンスが落ちる人は主体的とはいえません。主体的な人は自分の内面に「自分の天気」を持っているため、どんな天候であれ仕事に集中できるといいます。つまり、環境がどうであれ自分の内面にある価値観に基づいた行動をとることが重要であると、コヴィー博士は教えてくれます。おそらく、本章を読み終える頃には、主体性の本質的な意味と尊さを理解することができるはずです。

 また、第3の習慣「最優先事項を優先する」も、要するに「優先順位を決めて時間を有効に使う」ということで、こちらも特別なメソッドというわけではありません。しかし、その考察やアプローチが奥深く、習慣を継続するために必要な思考の持ちようについても具体的に示してあるため、読み進めていくにつれて、すっと腹に落ちていくのです。… 続きを読む

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榎並 紀行(やじろべえ)

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