何が喜ばれる?海外おみやげ事情(第6回)

プレゼントはタブー!?~オランダのおみやげ事情

2016.03.07 Mon連載バックナンバー

 世界各国、さまざまな文化・習慣がある。もちろんオランダとて然りだ。日本人にとっては少々理解し難い習慣ももちろんある。その最たるものが「贈り物をしない」習慣だろう。

 

理由なく贈りものをするのはタブー

 たとえばあなたの出張先や駐在先が、オランダに決まったとしよう。初めての訪問先や滞在地で、出会うであろう人たちのために、挨拶がてら何か気の利いた、日本のおみやげを持参しなくてはと当たり前のように考える方も多いのではないかと思う。しかしオランダならどこを訪問するにも「手ぶら」で行っても基本的には大丈夫なのである。手ぶら? なぜ? と疑問を持つ方も多いだろう。いささか乱暴な表現をしてしまったが、これからその意味を説明しよう。

 世界各国津々浦々、贈りものを嫌がる国民なんているわけがない、と思うなかれ。お近づきのしるしに、おみやげやプレゼントを手渡したとたん、オランダだと眉をひそめられてしまうこともあるのだ。

 たとえば顔合わせの際に、ちょっとした心づけをと思い贈りものを差し出したとたん、「何で今、プレゼントをもらなきゃならないの?」と怪訝な顔をされることは必然で、「贈り物をもらわなきゃいけないくらい、貧乏くさく見えるのかしら?」「もしかして、おみやげで私のことを買収しようと思っているのかも?」果ては「私のことが好きなんじゃないか?」などと飛躍し、突拍子もないことを考える人もいたりするので、注意が必要だ。

 これはオフィスでも同様で、バカンス(夏休暇)後などに同僚のためと思ってわざわざ購入したおみやげを配り歩いたりすれば、「なぜ??」と受け取りを拒否されることは間違いない。つまり特別な理由もないのに、何かをあげたりもらったりするのはタブーということなのだ。しかし逆に考えれば、おみやげを持参する必要はないので、赴任先がオランダに決定した場合は、肩の荷を少し下ろしても大丈夫、ということにもなりそうだ。

 しかし、そんなオランダにも一応、「贈りもの」を表す言葉は存在する。Cado(カドー)というのがそれだが、どうやらこの言葉はフランス語のCadeau(贈りもの)から拝借してきたもののようで、「無料で手にはいるもの」を意味する。純然たるオランダ語で「プレゼント」を意味する言葉がないのは、贈りものをする習慣がもともとなかったため、と推測できるかもしれない。

 ちなみに彼らが唯一、贈りものをもらってもよし、としているのは誕生日やクリスマスなどのお祝い日である。つまり、贈りものを贈る理由がある場合に限っては、このときとばかりに出血大サービスで、プレゼント合戦が職場で各家庭でも繰り広げられるというわけだ。日本人にとってはこのときこそ、贈りもの文化の本領?が大いに発揮できるだろうから、相手が喜びそうなものを選んで贈ることに長けている日本人ならではの、きらりと光るセンスで厳選した贈りものを、タイミングよく差し出すとよい。相手は大げさと思えるほど、心から喜んで受け取ってくれるに違いない。

 

誰もが喜ぶ、日本限定のおみやげ… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

稲葉 霞織

稲葉 霞織

現地在住ライター

1996年よりアムステルダム在住。政治経済からエンタメまで、オランダに於ける最新情報を各メディアに発信中。海外書き人クラブ所属。

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter