読まずに飲むな!海外アルコール事情(第8回)

夕焼けに乾杯!~オーストラリアのアルコール事情

2015.11.28 Sat連載バックナンバー

 夏のある日。いつものように夕方5時半にはサッと仕事を切り上げるつもりが、部下が起こしたちょっとしたトラブルに巻き込まれ、その日は6時になってしまった。

 帰宅途中、ふと思い立ってスーパーマーケットに寄り、生カキ1ダースと茹でたタイガープロウン200gとカマンベールチーズを入手し、家に着いたのが7時すぎ。夏なのでシャワーだけで済ませ、7時半前、先ほど手に入れたシーフードとチーズを持ってベランダに出た。虹色の色鮮やかな鳥、その名もレインボーロリキートや、顔から胸が濃いピンク色のモモイロインコが目の前を飛んでいく。

 さあ、「夕焼けビール」の始まりだ。

 

さあ、ビール天国を愉しもう!

 ちょっと待て! 夜7時半前に夕焼けを眺めながらビール? 「星空ビール」または「月見ビール」の間違いじゃないのか、という声が聞こえてきそうだが、この日は午後7時半前からの夕焼けビールで間違いない。なぜなら夏のシドニーのその時間では、まだ本当に夕焼けが見られるからだ。

 シドニーのあるニューサウスウェールズ州をはじめとするいくつかの州ではデイライトセービング、いわゆる「サマータイム」を実施している。10月の第1日曜日から4月の第1日曜日までだ(南半球の春から秋口にあたる)。この時期、シドニーではいつもより1時間時計を早める。本来なら6時半の空でも、時計は7時半。よって夕焼けビールが愉しめるという具合だ。

 私が飲んでいるのはクラウンラガー(Crown Lager)。オーストラリアのプレミアムビールではジェイムスボーグス(James Boags)と並んで人気が高い。他のビール瓶と一線を画す直線的なデザインも上品で良い。

 ちなみにオーストラリアの各州では、地元産のビールブランドの人気が根強い。たとえばわがニューサウスウェールズならトゥーイーズ・ニュー(Toohey’s New)、メルボルンを州都とするビクトリア州はその名もビクトリアンビター(Victorian Bitter)、ブリスベンが州都のクイーンズランド州はXXXX。ん? なんだ、XXXXって?… 続きを読む

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君田 亜礼

君田 亜礼

海外書き人クラブ所属

慶應義塾大学卒。オーストラリア在住は15年を超える。自ら執筆する他、リライトの職人でもある。リライターとして参加した書籍は『値段から世界が見える! 日本よりこんなに安い国、高い国』(朝日新書)など多数。

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