成果主義から「楽しめる仕事・職場」幸福主義へ(第2回)

仕事を楽しめば成果も上がる「フロー理論」とは?

2014.11.09 Sun連載バックナンバー

 成果主義が根本的に持つ問題に対する解決の糸口を、社会学、心理学的見地から明らかにする本連載。第1回では、従来の人間関係や組織を重んじる日本の企業文化の中に、個人の成果を評価する制度が導入され、根付く価値観と制度や行動のアンマッチが生じ、その結果、企業の不祥事、内部告発などの病理的な現象(アノミー)が発生することを説明した。

 第2回目では、その解決方法を考える。日本企業に成果主義を導入すること自体が課題であるならば、解決の糸口は、改良といった視点ではなく、全く別の観点から見出す必要があるだろう。

 

仕事を楽しむことで成果も上がる「フロー理論」とは?

 日本における成果主義の問題点とは、第1回でも取り上げた通り、成果主義が制度として導入されているにも関わらず、価値意識として成果よりも序列が重んじられていることだ。成果主義を掲げながら成果に関係なく年長者が昇進したり、お客様第一主義を掲げながら成果を上げるために自社の利益を重視した行動が推奨される、といった実態がはびこっている。

 また、純粋に仕事に没頭しようとしている社員が、成果を意識しすぎるマネジメントによって無用な介入を受け、業務そのものに支障が生じ、社員からやる気を奪ってしまうこともある。当然、業績も下がっていく。制度と価値観と行動に、不一致が生じているのだ。

 もしこのような“負の介入”を受けることなく、社員が楽しんで仕事に没頭することができたならば、会社も活気づいて成果も上がり、成果主義の導入が成功したと言えるだろう。

 楽しんで仕事に没頭すれば、それだけ成果もあがることを研究した学者がいる。ハンガリー出身のアメリカの心理学者、ミハイ・チクセントミハイ(Mihaly Csikszentmihalyi)だ。チクセントミハイは「楽しみ」の研究(いわゆるポジティブ心理学)により、後述する「フロー理論」の概念を提唱したことで知られる。

 彼は、ロック・クライマーが報酬のためではなく、命を賭してまでロック・クライミングに挑戦し、且つ幸福に満ちているのはなぜだろうと考えた。そこで、人は最も楽しい時どのように感じているか、それはなぜなのかを理解するために、本当に好きなことに時間を費やしている人々を調査した。… 続きを読む

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峯 英一郎/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

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ライター・キャリア&ITコンサルタント

IT企業から独立後、キャリア開発のセミナーやコンサルティング、さまざまな分野・ポジションで活躍するビジネス・パーソンや企業を取材・執筆するなどメディア制作を行なう。IT分野のコンサルティングや執筆にも注力している。
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