経営者が知っておきたいビジネス理論入門(第25回)

クロスセリングよりもスマートセリングを目指そう!

2015.01.05 Mon連載バックナンバー

 売上アップを図る“クロスセリング”にも、実は損失を拡大させていくという死角があります。今回は、どのような顧客が損失につながるのか?そして企業はどのような対応を取るべきなのか?をお伝えしていきます。

 

“クロスセリング”を実施する際に注意すべきポイントとは?

 もしかすると、あなたの会社はマーケティング戦略を駆使して、クロスセリングを実施し売上をアップさせようと努力しているかもしれません。

 クロスセリングとは、顧客が購入した商品やサービスと関連性の高いものを勧めて、“併せ買い”をしてもらうマーケティングテクニックです。

 たとえば、マクドナルドはかつてプレミアムローストコーヒーを無料で提供するキャンペーンを実施しましたが、これはハンバーガーやポテトなど“クロスセリング”を行うことによって、無料でコーヒーを配っても、ある程度の売上アップが見込めることを確信したうえでのキャンペーンといえます。

 確かにクロスセリングは売上アップには有効な手段といえますが、誰彼かまわずに実施すれば大きな損失につながることもあるのです。

 私達は、思考回路の中で『売上増は、利益増につながる』と結び付けがちですが、実際にはたとえ売上が増加したとしても、コストがかさんで損失が拡大していくことも考えられるからです。

 このクロスセリングが業績に悪影響を及ぼす実態について、ジョージア州立大学のシャー教授とクマー教授が非常に興味深い調査を行っています。

 何社もの顧客の取引データを調査したところ、クロスセリングを実施した5人に1人は儲けが出ておらず、その顧客損失の合計は実に全体の70%にも達していたというのです。

 このような顧客に対して売上を増やすためにクロスセリングを実施すれば、売上を増やせば増やすほど損失が拡大していくという企業にとっては由々しき問題につながっていくので注意が必要です。

 

クロスセリングの際に注意すべき4つの顧客タイプ

 そして、この調査を通して、クロスセリングを実施するに当たって注意すべき次の4つの顧客像が浮き彫りになったそうです。… 続きを読む

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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