歴史書店 三冊堂(第17回)

一筋縄にはいかない「幕末」が簡単にわかる三冊

2015.01.13 Tue連載バックナンバー

 ファンが多い日本史の時代といえば、戦国か幕末を挙げる方が多いでしょう。どちらも大きな夢に向かって英雄たちが覇を競った時代ですから、男女問わず心惹かれる方が多いのは納得です。

 NHK大河ドラマでも、戦国と幕末は鉄板です。特に、イケメン武将が流行り出した時期にあたる2007年からは、「風林火山」(戦国)→「篤姫」(幕末・2008年)→「天地人」(戦国・2009年)→「龍馬伝」(幕末・2010年)→「江~姫たちの戦国~」(戦国・2011年)と、戦国と幕末がローテーションになっています。

 「江」の次には久々に平安時代を描いた「平清盛」(2012年)が制作されたのですが、いかんせん視聴率が悪くて、そのあとはまた「八重の桜」(幕末・2013年)→「軍師官兵衛」(戦国・2014年)→「花燃ゆ」(幕末・2015年)→「真田丸」(戦国・2016年)と、同じローテーションに戻ってしまいました。「平清盛」は視聴していた人の評価は高いので、一概に不人気作品とはいえません。ネットでいつでも視聴できる時代に、視聴率を判断基準にするのはもう古いのかもしれません。

 さて、そんな人気の双璧をなす戦国と幕末ですが、よく耳にするのは、「幕末って、戦国よりわかりにくいよね」という言葉。歴史好きでも特に若い世代は、幕末維新への苦手意識が強いようです。

 なぜそうなるのかというと、幕末は一人の人物だけを注視していても決して理解できないからなのです。

 戦国時代と比較してみましょう。戦国時代に名をなした武将は、誰もが「下剋上」と「国盗り」の中でのし上がり、その果てに「天下統一」という共通の目標を持っていました。毛利元就のように天下を狙わなかった武将でも、天下をどう分けて統治するかという目標を抱いて群雄割拠に身を投じたわけで、天下を治めるという最終目標に変わりはないわけです。

 言葉は悪いですが、戦国武将を思想的な面だけで切り取れば、誰もが金太郎飴にすぎません。どの武将に着目しても、天下を夢見た戦国のロマンに触れることはできるのです。だから、戦国時代は解釈が簡単。

 でもそれができないから幕末は難しいんですよね。… 続きを読む

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かみゆ歴史編集部

かみゆ歴史編集部

歴史コンテンツメーカー

歴史関連の書籍や雑誌、デジタル媒体の編集制作を行う。ジャンルは日本史・世界史全般、アート、日本文化、宗教・神話、観光ガイドなど。おもな編集制作物に『日本の山城100名城』(洋泉社)、『一度は行きたい日本の美城』(学研)、『戦国合戦パノラマ図鑑』(ポプラ社)、『系図でたどる日本の名家・名門』(宝島社)、『大江戸今昔マップ』(KADOKAWA)、『国分寺を歩く』(イカロス出版)など多数。お城イベントプロジェクト「城フェス」の企画・運営、アプリ「戦国武将占い」の企画・開発なども行う。公式サイトはwww.camiyu.jp

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