PBXクラウド化が企業にもたらすメリット

構内PHSをスマホへ移行、時事通信社が得た効果とは

2017.09.08 Fri連載バックナンバー

 事業所内の電話回線を集約し、内線番号による電話機同士の通話や転送、外線との接続などを行うPBX(Private Branch Exchange)。多数の従業員を抱える事業所には不可欠な機器ですが、非常に複雑な機能を有していることもあり、更改時に多額の投資を必要とすることがIT管理部門の悩みのタネです。

 しかし、近年クラウドサービスの進化・拡大に伴い、従来オンプレミスで運用していたPBXをクラウド化する企業が増えています。このような中、日本を代表する通信社の1つである時事通信社では、クラウドサービスの導入により、PBXのスリム化とスマートフォンの内線化を図りました。導入に至った背景や、導入によって得られたメリットなどを紹介します。

【株式会社時事通信社について】

 株式会社時事通信社は、新聞社や放送局にニュースを配信する報道機関としてのコアビジネスに加え、金融機関や企業、省庁・地方自治体などに専門の情報やニュースを提供する総合メディア企業です。国内47都道府県に78の本支社・総支局、海外に28の総支局を設置し、24時間365日、リアルタイムに生の情報を発信しています。近年は、JIJI.COM(時事ドットコム)といったポータルサイトやキュレーションを通じて、個人向けに情報を提供するデジタル分野のサービスにも注力しています。2017年7月には「総合メディア局」という新しい組織を立ち上げ、新聞、放送、Web、セミナー、調査、出版などの複数のメディアを融合した、デジタル時代、インターネット時代にふさわしい情報ソリューション事業の創出に取り組んでいます。

PBXの更改に合わせPBXのスリム化と内線環境の見直しを検討

 東京都中央区銀座に立地する時事通信社の本社では、従来オンプレミスでPBXを設置して構内の電話環境を構築していました。同時に構内PHSを部署ごとに一定台数配布し、会議などで離席する社員と迅速なコミュニケーションが取れる仕組みを採用していましたが、PBXの更改時期が近くなったことを契機として、音声コミュニケーション環境を刷新する検討に着手しました。

 同社の社内ITシステムの開発・運用を担うシステム開発局の局長を務める霜﨑忠則氏は、従来の課題や検討の背景を振り返ります。

 「事業の特性上“情報の速さ”と“正確さ”が求められており、営業は外出や出張も多く、社外でのモバイル環境の整備は重要と捉えておりまして、PBXの更改を機に構内PHSをスマートフォンに移行したいと考えていました。これまで内線電話として使用していた構内PHSは老朽化によりバッテリーが劣化したり、そのバッテリーが調達できなかったり管理が難しくなっていました。また、スマートフォンに移行すれば、社外でも業務での活用の幅は広がると考えました」

 固定電話は従来1人1台設置していましたが、異動やオフィスのレイアウト変更が多く、設定変更や工事などが負担になっていました。同社システム開発局の山田一幸氏は担当者としての思いを語ります。

 「当初、固定電話を無くす方向で検討していましたが、一挙に環境を変えることは業務に混乱等を招く恐れも考えられたため、まずは部分的に台数を減らす形にしました。さらに、当社では業務で個人の携帯電話やスマートフォンを使用した場合には、通話明細を提出して精算していますが、これはかなり煩雑でなかにはその手間が面倒で申請をしていないケースもありました」

 

PBXとクラウドサービスの連携により新しい環境を構築

 こうして同社では、オンプレミスのPBXは残しつつ更改し、クラウド型のPBXサービスを導入。この2つを併存させ、連携を図るという方針に至りました。数社のサービスから検討され、最終的に… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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