企業の働き方はどう変わっていくべきか(第6回)

ワーキングスペースとして注目のカラオケボックス

2017.04.12 Wed連載バックナンバー

 個室であるため集中して作業できる上、複数人での会議も可能といった利点を生かし、自社で展開するカラオケボックスチェーン「ビッグエコー」のビジネス利用のトライアルを進めているのが第一興商です。今回、第一興商店舗事業本部店舗事業推進部営業推進課の課長である鈴木敬之氏に、トライアルを行うことになったきっかけや今後の展開などについて伺いました。

株式会社第一興商について

 1973年に設立した株式会社第一興商は、現在、業務用カラオケ事業、カラオケ・飲食店舗事業、音楽ソフト事業等を展開。カラオケ・飲食店舗事業の中心となる第一興商グループ直営の「ビッグエコー」をはじめとしたカラオケボックスは、全国に483店舗(2017年3月末現在)を展開し、業界ナンバーワンの店舗数を誇っています。

 

トライアル以前からあった、カラオケボックスのビジネス利用

 外出先で作業する場所として、多くの人がまず思い浮かべるのはカフェやファストフード店、あるいはファミリーレストランなどではないでしょうか。しかしながら、これらの店舗はオープンなスペースであるため、取引先などと電話で話すのは気を遣いますし、作業しているノートパソコンの画面をのぞき見られてしまうというリスクもあります。また、周囲の雑音が気になって作業に集中できないという人もいるでしょう。

 こうしたマイナス要素がなく、集中して作業できる場所として挙げられるのがカラオケボックスです。防音設備の整った個室が使えるため、周囲を気にすることなく電話で会話できるほか、机に広げた資料やノートパソコンの画面を第三者に盗み見られる不安もありません。店舗によっては電源の利用も可能なため、ノートパソコンやスマートフォンのバッテリーを心配する必要がないこともポイントです。

 カラオケボックスが持つこれらのメリットを活かし、「ビッグエコー」を全国展開する第一興商は2016年12月よりNTTコミュニケーションズと共同で、首都圏21店舗の約100室を企業向けのワークスペースとしてトライアル提供する実証実験を実施しており、ICTツールに限らずワークスペースに必要な要素の検討を行っています。NTTコミュニケーションズが提供するのはインターネット無線LAN環境で、これにより利用者がモバイルルーターやスマートフォンのテザリング機能などを使わず、快適に安定したインターネット接続を利用することが可能になっています。

 この取り組みについて、近年の社会的な風潮が追い風となっていると話すのは、第一興商の鈴木敬之氏です。

「近ごろ、世の中の企業の働き方改革に対する機運が高まる中で、カラオケボックスの部屋をワークスペースとして提供できないかと、社内で検討を行っていました。個室であることや店舗のロケーションの良さもメリットになるのではと考え、ビジネスチャンスをうかがっていたところです。実は、これまでもカラオケボックスを仕事をする目的で使用されるお客さまはいらっしゃいましたので、ビジネス利用のニーズがあることは把握できていました。それが、カラオケボックスの部屋をワークスペースとして提供する実証実験につながったのです。もちろん、トライアル以前でもビッグエコーでのビジネス利用を制限していませんでしたが、以前はカラオケルーム内のネットワーク環境が整っていなかった店舗もあり、本格的なワークスペース検討には至っていませんでした」

 

駅近というアクセスの良さ、個室ならではのセキュリティ面が魅力

 昼間の時間帯をワークスペースとして提供することは、店舗側にとってもメリットがあると鈴木氏は話します。

「若者が遊びに来るような繁華街にあるカラオケボックスは異なりますが、オフィス街に立地しているカラオケボックスの場合、… 続きを読む

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