企業の働き方はどう変わっていくべきか(第1回)

専門家に聞く!働き方改革の現状と障壁の突破口

2017.03.08 Wed連載バックナンバー

 2015年10月に政府が掲げた「一億総活躍社会」は、家庭・職場・地域で誰もが活躍できる社会を目指すというもの。そのような背景もあり、新聞やテレビなどで「働き方改革」を取り上げる機会が増えています。しかしながら企業サイドから見ると、いまひとつメリットが見えてこなかったり、具体的にどう進めるべきかが判然としなかったりするのも事実でしょう。そこでリクルートワークス研究所の労働政策センター長である中村天江氏に、働き方改革の取り組み方についてお話を伺いました。

 

多様な働き方の選択が従業員の大きなモチベーションに

 労働時間や働く場所の自由度を高め、働きやすい環境の整備を目指す「働き方改革」に積極的に乗り出す企業が増え始めています。たとえばカルビーは在宅勤務を推進しており、2017年4月からは毎日でも在宅勤務が可能となる新たな制度を制定すると発表しています。また日本電産では、2020年に残業をゼロにするという目標を公表しました。

 働き方改革に取り組む背景は企業によって異なりますが、主要な目的と言えるのは、人材確保や生産性の向上、さらには従業員のモチベーション向上でしょう。リクルートグループの調査によれば、「従業員を動機付けるもの」として、現時点では「仕事のやりがい」や「自分の成長実感」、「社内の人間関係の良さ」などが上位に位置していますが、2025年には「多様な働き方の選択」が従業員の大きなモチベーションになると多くの企業が回答しています。

従業員を動機付けるもの(現在・2025年)

 将来的に労働人口の大幅な減少が見込まれる中、人材の確保も重要な経営課題となっています。その解決策として期待されているのが女性の活躍推進ですが、第1子出産後に退職する人の割合は、少し前まで以前よりも増加しているという現実がありました。また、これから高齢化社会が進むことを考えると、介護・看護のための離職者も問題となってくるでしょう。

女性の出産退職や、男性の介護離職は増加

 こうした経営課題の解決策として期待されているのが、多様な働き方の実現です。しかし、そこに至るには大きなハードルをクリアする必要があると指摘するのは、リクルートワークス研究所 労働政策センター長である中村天江氏です。

 「子育てや介護と働くことを両立することが大切だということは多くの人がわかっていますが、両立することはかなり難しいというのが現状です。それを変えるために、政府や企業、あるいは実際に働いている1人1人を含め、新しいワークスタイルを模索し始めています」

 

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