急増するスマートデバイスのビジネス活用対策

リモートアクセスサービスが実現する安全なBYOD

2015.02.20 Fri連載バックナンバー

 ビジネスにおけるスマートデバイスの利用に当たってBYODの導入を検討する企業が増えています。しかし、私物の端末を利用することから、利用者のセキュリティ意識は必ずしも高いとはいえないのが現状のようです。BYODの導入に対して、セキュアな接続環境や端末管理を実現するにはどのようにすればいいのでしょうか。クラウド型リモートアクセスサービスを例に挙げて、紹介していきます。

 

スマートデバイスのビジネス利用における最大課題はセキュリティ

 スマートフォン、タブレット端末など、スマートデバイスの出荷台数は、2013年度において3,679万台にも上り、2015年度には約4,000万台に届くであろうと予測されています。過去2、3年の伸びに比べると、やや落ち着きを見せていますが、これまでモバイル端末の主力であったノートPCや従来型携帯電話(フィーチャーフォン)の出荷台数と比較すると、モバイル端末の主役がスマートデバイスに取って代わったことが分かります。

 ビジネスの現場においてもスマートデバイスの利用は増加しつつあり、今後は法人利用の伸びがスマートデバイス市場を牽引するであろうといわれています。しかし、これらの端末を存分に活用するためには、まずセキュリティの確保というハードルを乗り越えなければなりません。携帯するためのデバイスであるため、紛失や盗難といったリスクは避けられず、そのような事故に伴う情報漏えいを未然に防ぐことが最大の課題となります。

 特に最近注目されている利用スタイルであるBYODにおいては、私物端末を利用するため、ついユーザー側のセキュリティ管理が甘くなってしまうという傾向があるようです。実際にどのような問題が顕在化しているのか、見ていきましょう。

 

クラウドサービスを利用して業務データが持ち出されている現状

 近年、メールやスケジュール管理、ストレージなどの個人向けクラウドサービスの普及と充実は目覚ましいものがあります。このような環境の変化を受け、現状7割を越える利用者が、私物端末で会社業務を行う際に、何らかの個人向けクラウドサービスを利用しているという調査結果があります。特に注目すべき点が、約3割の人がオンラインストレージを利用しているということ。海外では「Dropboxシンドローム」とも呼ばれ、Dropboxなどのストレージサービスを利用して、社員が社内の業務データを勝手に持ち出していることに企業のIT管理者が頭を悩ませているといいます。

 また、業務に私物端末を利用している人のうちの半数近くは、業務で使用する情報や資料をその端末上に保存しています。主なものとして、取引先や顧客に関する情報やスケジュール、社員の連絡先、提案書・プレゼン資料などが挙げられます。万一の端末紛失時には、それら機密性の高い情報が漏えいするリスクを抱えていることになり、企業として何らかの対策を施すことが不可欠です。

 

BYODにおける端末管理には「MAM」という考え方が必要

 このようなリスクを軽減するために、スマートデバイスを管理する手法として、これまで「MDM(Mobile Device Management)」が広く用いられてきました。MDMの代表的な機能として、端末を紛失した際に端末上に保存されているデータを遠隔操作で消去するリモートワイプがありますが、MDMは端末ごとに管理を行っているため、端末上のすべてのデータが消去されてしまいます。会社支給端末の場合には、大きな問題はないのですが、BYODでは私物端末を利用するため、個人のデータまでが消去されてしまい、社員のプライバシーを尊重するという観点においては大きな課題が残ります。これらの視点のもと、BYODを適切に運用するためには、端末上において業務と個人の領域を分けるという考え方が必要になってきたのです。

 この課題を解決するための管理手法として、いま注目されているのが「MAM(Mobile Application Management)」です。… 続きを読む

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田川 接也

田川 接也

フリーランス・ライター

企業の情報誌・Webサイト、自治体の広報誌などをメインに取材・原稿執筆を行う。これまでIT系の導入事例記事を多く手がけているが、ITの他、行政、教育、飲食など、幅広いフィールドにおいても活動している。

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