ショップジャパンに学ぶ、最先端オフィスのつくり方

フリーアドレスなどのIT活用で働き方環境を一新

2015.01.23 Fri連載バックナンバー

 これから年度の変わる春先にかけて、日本は引っ越し、移転のピークを迎えます。現在、オフィスの移転や新設などを計画・推進されている企業の方も多いのではないでしょうか。実は、このタイミングこそが事業の抱える課題を解決し、従業員の働きやすいオフィス環境に創りかえる最大の好機といえます。

 2014年9月、東京の新たなランドマーク・虎ノ門ヒルズに東京オフィスを移転したオークローンマーケティングでは、ITとファシリティが高度に連携した最先端のオフィス環境を実現しています。従業員のワークスタイルを一変し、モチベーションを高めるオフィスづくりの秘訣を、今回のオフィス移転のキーマンに聞いてみました。

 

移転にあたり従業員へのヒアリングを徹底

 株式会社オークローンマーケティングが運営する「ショップジャパン」は、オムニチャネル戦略を積極的に取り入れ、テレビショッピングに頼らない、さまざまなチャネルで商品、サービスを提供。世界中からユニークなアイデアを発掘し、日本的なエッセンスを加えた数々の製品やサービスで、お客さまのお悩みを解決。夢や目標を実現することをブランドコンセプトに掲げています。

 同社では、より魅力的な製品やサービスの提供に向け、これまで名古屋を主として活動していたマーケティング部門を東京オフィスに移動させることを計画。約100名の従業員の異動となるため、コストを意識しながらより収容人数の大きい新たなオフィスへの移転を決断しました。このタイミングを活かし、同社では従来のオフィス環境が抱えていた課題を解決する“成功する環境づくり”にチャレンジします。

 今回の移転のキーマンである人事総務 ディヴィジョン デピュティーダイレクター河合由紀氏は「従来のオフィス環境は従業員の席が組織ごとに固定されていたため、業容の拡大、変化に伴う人の移動や増加への対応が柔軟にできませんでした。キャパシティも決まっており、組織変更や人数が増えるたびにレイアウト変更と、今振り返ると非常にもったいない手間とコストをかけていました」と当時を振り返ります。

 こうした課題を解決すべく、同社が最初に行ったことは「従業員の声を聴く」というものでした。従業員一人ひとりに最高最大のパフォーマンスを発揮してもらう環境を実現するためにニーズなどを徹底的に調査したところ、現状のオフィスにおける課題が浮き彫りになったそうです。

 「“従業員同士のコミュニケーションがとりにくい”“もっと気軽にコミュニケーションできるスペースが欲しい”といったコミュニケーションに関する要望が圧倒的でした。また、IT部門ではすでに“人数が増えた場合の通信速度”を課題として捉えており、移転にあたってIT環境を見直す必要性も感じました」と河合氏が語るように、ファシリティとITの両面から新たなオフィス環境への要望が明らかになります。

 こうした要望を受けて同社が出した結論は社内における「フリーアドレス」の実現、そして「誰もが自由にコミュニケーションを取れるオフィススペースの構築」でした。

 河合氏は「フリーアドレス導入に関する社内アンケートでも“やってみたい”という前向きな答えが大半でした。従業員の自主性を重んじる社風ですので、先にルールを決めて前面に押し出すことはしません」と断言します。まず、オフィスで働く従業員との合意形成を行い、互いが協力しながら進めていくこと。ここにオフィス移転を成功させるポイントがあるのかもしれません。

 

社内外のコミュニケーション環境を劇的に改善

 移転前から同社の従業員は1人1台のノートPCを活用し、Lyncを利用してチャットやオンライン会議などで活発なやりとりを行っていました。この仕組みがあったからこそフリーアドレスが実現でき、この仕組みを加速させる取り組みがフリーアドレスだったのです。

 同社ではフリーアドレスの実現に向けて、最初にIT部分のパートナー選びに着手。複数の候補から検討した結果、最も要望を満たす提案があったNTTコミュニケーションズをパートナーに選びました。NTTコミュニケーションズが提案した「シームレスICTソリューション」は、ネットワーク、音声や映像などのアプリケーション、セキュリティまでを含めたサービスを自在に組み合わせ、一括して運用できる、通信事業者ならではのワンストップサービスです。このサービスを利用することで、フリーアドレス化の下支えとなる社内WAN/LANの増設、インターネット接続環境の増速に加え、社内外のコミュニケーションを円滑化するビデオ会議、デジタルサイネージの整備まで、新たなオフィスにおけるトータルなIT基盤が完成します。

 続いて同社では、ファシリティ部分に取りかかります。「従業員同士が気軽にコミュニケーションが取れるオフィスレイアウト、働くにあたって人の行動を観察し不必要な動作が発生しないよう什器の配置にこだわり、コワーキングスペース、会議室も新設しました。また、オープンブックマネジメントという経営手法に基づき、オフィスの壁を極力なくし、すべての会議室はガラス張りになっています」と河合氏が語るように、すべてのワークスペースが一望できるオフィス環境の構築が完了します。… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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