改めて学ぶ、クラウド講座(第4回)

企業のグローバル展開におけるクラウド活用

2014.08.27 Wed連載バックナンバー

 日本においては、超少子高齢化が進み人口減少社会を迎えており、国内市場の将来的な成長の鈍化が予想されています。日本企業は、世界市場をターゲットに激しいシェア争いが繰り広げるBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)などの新興国市場においてシェア獲得に向け、海外事業の展開強化とグローバル規模でのガバナンスの強化と経営の「可視化」を実施していくことが重要となっています。

 

グローバル市場への展開の鍵は、経営の見える化と本業への集中

 今後、グローバル市場において事業展開がさらに加速化し、 世界各国の事業所の現場の動きをリアルタイムに近い形で集約できる環境を整え、効率的な業務プロセスの仕組みづくりが競争優位の源泉となっています。業務プロセスの進化によるガバナンスの強化や経営の可視化、さらには迅速な事業展開を進めていくための選択肢の一つにクラウドサービスの導入があげられます。

 企業の海外進出時においては、企業が自らIT人材やベンダーも開拓していく必要があり、IT担当の専任担当者を配置することも容易ではありません。そのため、早期にシステムを導入でき、コストを抑え、システムの構築運用から開放される環境を整備しておくことが重要となります。特に、生産拠点を展開するような新興国や発展途上国は、日本に比べるとITの利用環境が脆弱である場合が多く見受けられます。

 仮にその国での事業から撤退しなければならない場合においても、リスクを最小化したシステム構成にしておくことが必要となります。自社の本業の付加価値に結び付かないシステムやネットワークの構築と運用は、積極的に外部に委託して自社の強み(コアコンピタンス)の集中できる体制を整えておくことが、事業の成功への大きな足がかりとなるでしょう。

 

グローバルクラウドの環境構築を

 ITの利用環境には大きく分けて、「ネットワークレイヤー」、クラウドサービスに代表される「共通プラットフォームレイヤー」、「アプリケーションレイヤー」の3つがあげられます。

 「ネットワークレイヤー」と「共通プラットフォームレイヤー」は業界標準の採用やアウトソースの検討対象となり、他社との競争優位の源泉とはならず、これらのレイヤーはグローバル規模で共通化してアウトソーシングしていくことが、人的リソースの効率的な活用にもつながります。

 企業が注力すべきなのは、「アプリケーションレイヤー」であり、業務プロセスの改善や経営の見える化を実現するためのツールとして自社向けにカスタマイズして活用していくことが、企業の競争優位にもつながるでしょう。

 レイヤーごとの導入ポイントについて整理をしてみたいと思います。… 続きを読む

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林 雅之

林 雅之

NTTコミュニケーションズ株式会社 クラウドサービス部勤務。政府のクラウドおよび情報通信政策案件などの担当を経て、2011年6月からクラウドサービス部にてのサービス企画開発、マーケティング等を担当。一般社団法人クラウド利用促進機構(CUPA) 総合アドバイザー。国際大学GLOCOM客員研究員。著書『オープンクラウド入門 (インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門 (創元社)』ほか

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