改めて学ぶ、クラウド講座(第1回)

今さら聞けない!クラウドコンピューティング

2014.08.06 Wed連載バックナンバー

クラウドコンピューティングとは何か?

 調査会社のMM総研が2013年8月に発表した「国内クラウドサービス需要動向」によると、新規システム導入時にクラウドコンピューティングで提供されるサービス(クラウドサービス)の活用を優先的に検討する企業ユーザーは、7割にも達しており、クラウドの採用を優先的に検討する「クラウドファースト」が浸透しつつあります。

 クラウドコンピューティングとは、自分が使うパソコン側で情報処理を行うのではなく、インターネットの「むこう側」にある事業者が提供する巨大なコンピュータで処理を行うサービスです。

 自社の情報は、企業内にある構築・運用システムではなく、インターネットにつながるサービス提供事業者の巨大なデータセンタのコンピュータで処理され、IT資産の「保有」から、サービス提供事業者のコンピュータリソースをサービスとして「利用」するモデルです。

 クラウドコンピューティングで提供するサービスを利用するには、パソコンのウェブブラウザを立ち上げて、インターネットにアクセスできる環境さえあれば、パソコンにソフトウェアをインストールすることなく利用できます。コンセントを挿し込めば、電気が使えるように、ジャックの口にLANケーブルを差し込むといったように、インターネットにつながる環境があれば、世界中のコンピューティングリソースを利用できるようになります。

 

クラウドコンピューティングは「銀行預金」のようなもの

 クラウドコンピューティングの概念は、銀行に例えてみるとわかりやすいでしょう。ユーザーは、金融資産の多くを当然のように金融機関に預金しています。金融資産を自社の金庫に保管しているより安全で、しかも資産運用で利益を生み出すメリットもあります。金融資産は、世界中のATM(現金自動預け払い機)から必要な時に必要な金額を引き出すことができ、パソコンや携帯電話からも簡単に振込みなどの処理をすることができます。 ユーザーにとっては、銀行が金融資産を管理しているセンターがどこにあるのか、どう処理されているのかといったことを意識することはほとんどないでしょう。

 金融機関に自社の金融資産を預けるのは当然と感じているように、実績のある信頼性の高いクラウドコンピューティングでサービスを提供している事業者に、自社の情報資産を預けて安全に運用してもらうといったことも選択肢として増えていくことでしょう。

 企業の多くは、金融機関との取引を続けることによって、安定した事業運営を可能としています。クラウドコンピューティングも同様に、事業運営の安定に欠かせない存在となってきています。

 

SaaS、IaaS、PaaS…?クラウドコンピューティングを構成する3つのサービスモデル

 クラウドコンピューティングのサービス形態には、大きく分けて3つあります。

 1つ目は、… 続きを読む

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林 雅之

林 雅之

NTTコミュニケーションズ株式会社 クラウドサービス部勤務。政府のクラウドおよび情報通信政策案件などの担当を経て、2011年6月からクラウドサービス部にてのサービス企画開発、マーケティング等を担当。一般社団法人クラウド利用促進機構(CUPA) 総合アドバイザー。国際大学GLOCOM客員研究員。著書『オープンクラウド入門 (インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門 (創元社)』ほか

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