コミュニケーションクラウドによる新しい働き方(第4回)

統合されるコミュニケーションとコラボレーション

2014.06.04 Wed連載バックナンバー

 新しい時代に生き残る企業となるため、コミュニケーションクラウドを活用して働き方やコミュニケーションの仕組みの刷新を目指す本連載。最終回はこれまで確認した3A(いつでもどこでもどんなデバイスでも)スタイルのコミュニケーションツールを組み合わせて、創造性に満ちた企業を創っていく方法を考える。世界に散らばる社員の知恵と発想を結び付けられる仕組みがいま、ITに期待されている。

 

コミュニケーション基盤を考えるときには…

 連載の前半、グローバルに活躍し多様なライフスタイルと仕事との両立を求める現在のビジネスパーソンに必要な働き方のスタイルとして、「3A」すなわち「Anytime, anywhere, by any device」を提案した。また前回は3Aスタイルにマッチしたビデオ会議やWeb会議、チャットなどの新しいコミュニケーションツールが、世界展開する新時代の企業にとって役立つツールであることを確認した。

 しかし、こうしたスタイルを支えるITがバラバラとサイロ的に導入されることにはユーザー部門も管理部門も抵抗が強い。さまざまな仕組みが登場していることは歓迎すべきだが、めざす利用シーンを定めずに場当たり的に導入してしまうと効果は半減する。重要なのは「コミュニケーション基盤」全体を考えていくことだ。

 これまで見てきた仕組みは大まかに言って、(1)3A対応のデスクトップ環境(VDI)、(2)リモートワークのためのIT、(3)グループウェアや社内SNS、(4)スマートフォンやBYODに対応した内線システム(PBX)、(5)ビデオ会議、Web会議、チャットなど新たなコミュニケーションツールの5つに分けられる。ワークスタイルの変革を考えるにあたっては、業種業態、職種や勤務形態を考え、どのようなスタイルを目指すのか、どこから手を付けるのか、そして最終的にどのような統合コミュニケーション基盤を築き上げるのかを考えることが重要になってくるだろう。

 幸い、クラウド時代だ。かつてのように一度構築してしまったオンプレミスのシステムに縛られることは少なくなった。必要な時に必要なクラウドサービスを必要なアカウント数分だけ契約する。最低利用期間を定めないサービスや無料トライアル期間のあるサービス(Try & Buy)を活用すれば、試行錯誤しながらユーザー部門の使い勝手の良いサービスを選んでいくことも可能になった。しかしそれでも、はじめにビジョンとロードマップを定めることと、導入する複数の機能が有機的に連動するような仕組みを考えることは重要だ。コミュニケーションクラウドの活用によってシステムの構築や保守の手間が削減できる分、IT部門とベンダーはこうした構想や企画を練ることに時間を使っていきたい。

 

2020年のコミュニケーション基盤と「ユニファイドコミュニケーション」

 節目と捉えたのだろうか、筆者の周囲でも昨年あたりから「2020年を睨んだ次期コミュニケーション基盤の刷新」に取り組まれている企業が多い。喫緊の問題に対処するだけでなく、7年後どのような社会環境、経営環境になっているか、どのような企業になっていたいのかを考察し、コミュニケーションのクラウドを活用してその姿に近づくというわけだ。その結果たとえば、グローバルに拡がるグループ会社を統合したワン・ネットワーク/ワン・コミュニケーションインフラを整備して一体経営を目指すビジョンや、多様な社員の活用をさらに進めるべくサテライトオフィスや在宅勤務を含めた働き方の多様化を目指す考えなどが打ち出されている。2020年。その頃には、現在の高校生が企業社会に参加してくる。世界分業や市場の世界化もますます進むだろう。新たなビジネスパーソンたちが最大限にパフォーマンスを発揮できるコミュニケーションインフラについて、IT部門や総務部門だけでなく、人事部門、経営企画部門などと協議して考えていくことになるはずだ。

 そうした中、次期基盤の中核をなすものとして注目される概念に「ユニファイドコミュニケーション」がある。ヒトを中心にとらえ、時間と場所を超えて創造性を発揮できるよう、さまざまなコミュニケーションツールを組み合わせ、統合して提供するものだ。特に最近は、Outlookのようなグループウェアとの統合が強く意識されたものや、Web電話帳/Webディレクトリー/コラボレーションディレクトリーと呼ばれるものを中核にコミュニケーションの連続性を提供できるものに注目が集まる。いずれも単に電話系の発展としてだけでなく、総合的なコミュニケーションの基盤として、新たな時代に世界に散らばる多様な社員と多様なビジネスを結び付ける、“21世紀企業の神経系”となるものだ。

 

ユニファイドコミュニケーション提供業者とサービス

メーカー、
プロバイダー
製品名、サービス名 オンプレミス or
クラウド
Microsoft Microsoft Lync 2013 オンプレミス
Microsoft Lync Online クラウド
シスコシステムズ Unified Communication Manager,
Jabber, WebEx等
オンプレミス
リコー RICOH Business Internet Service クラウド
大塚商会 UCスタータープラン オンプレミス
+サービス
NTTコミュニケーションズ Arcstar UCaaS+Arcstar Conferencing
+Web電話帳
クラウド
KDDI ユニファイドコラボレーション クラウド

 

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古澤 祐治

古澤 祐治

NTTコミュニケーションズ ソリューションマーケティング

顧客企業の抱える経営課題を解決する新しいワークスタイルやコミュニケーションツールの提案に従事。同社における導入事例に基づき、スマートデバイス活用、テレワークの実践、ユニファイドコミュニケーションの導入などを支援している。

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