コミュニケーションクラウドによる新しい働き方(第2回)

「3A」スタイルで顧客接点と協創力を強化しよう

2014.05.21 Wed連載バックナンバー

 新しい時代に生き残る企業となるため、コミュニケーションクラウドを活用して働き方やコミュニケーションの仕組みの刷新を目指す本連載。第2回は普及するスマートデバイスやモバイルツールを活用した、いつでもどこでも業務を遂行しうる環境の整備が、顧客とのコミュニケーション強化、同僚同士のコラボレーション、人材の有効活用の各面で効果を挙げることを考えてみる。

 

これまでのモバイルとこれからのモバイル

 モバイルという言葉が登場して30年。IT歴の長い方は東芝Librettoが登場した時の興奮を覚えているだろうし、営業職の多くはB5タイプのモバイルPCを与えられて仕事をしてきたはずだ。PCメーカーの方であれば「何をいまさら。」「オフィスやデスクに縛られるという課題はノートPCが解決した。」と仰るかもしれない。しかしいま新たに、スマートデバイスという潮流が生まれ、“モバイルファースト” という発想が登場している。いつでもどこでもどのデバイスを使っていても働きうる環境の整備に注目が集まっている。背景には従来のモバイルの限界と、それを解決したい利用者の切実な要望がある。

 これまでモバイルは「オフィスのデスクで行う仕事の一部を持ち出す」という発想で整備されてきた。またヒト中心ではなくてPCありき、ハードウェアありきの発想であり、PCを小型軽量化し、データ通信契約をし、「小さな画面と遅いネットワーク」という限られた環境でもできる必要最低限の仕事だけを行うこと、これがモバイルだと考えられてきた。

 新しい時代のモバイルは、3つの点でまったく違う。

 まず根底にあるのは、あらゆる業務をどこにいても行えるように、という発想だ。今後在宅勤務や世界を飛び回るビジネスパーソンの姿が当たり前になる中、一部を持ち出すのでは十分でない。私はしばしば顧客企業から「弊社の業務のうち在宅で行えるものは少ないから、制度も導入していないんです。」という相談を持ちかけられる。これに対して既に在宅勤務促進に成功している企業は「ほぼすべての業務を自宅から行いうるように設計した」と語る。オフィスにいないことがまず前提にあり、オフィス“も”用意する、と考えるわけだ。「まずPCが手元にない環境を考える」と言い換えてもよい。モバイルファーストと呼ばれる新しい考え方では――デスクトップを前提に業務やアプリケーションを組み立て一部のみを持ち出していた時代とは異なり――まずオフィス外を想定して業務とアプリケーションを設計し、システムを組み上げる。営業力を重視し、社員により顧客の近くで、現場で活躍してほしいと考える企業経営者の意向を踏まえたトレンドだ。

 次にハードウェアとの関係だ。いま使い勝手に着目した新しいデバイス、つまりスマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスが着実に浸透し、携帯しやすさの点でもUIの面でも人気を博している。個人の生活への浸透が進んだことで、「企業が用意したPC」が端末種別の意味でも処理性能の意味でも、旧世代のものとなってしまっている。いまや会社のPC「以外」で仕事をするほうが効率的な場合は珍しくなく、緊急時対策の要求からも、会社のPCを前提としない環境の構築が望まれている。

 最後にコミュニケーションとの関係だ。これまでモバイルワークをする人は孤軍奮闘、ひとりで営業やメンテナンスに出回ったり、ひとりで在宅勤務をしたりする傾向にあった。業務が細分化・定型化され分業が確立していた時代はそれも良かった。しかしいま、社員の集合知を結集して創造力を発揮し、関連企業とも密接に協働し、グローバル拠点やグループ企業と日々交流しなければ競争には勝ち残れない。ゆえに、モバイル環境=テレワーク環境でも常に必要な人と必要なコミュニケーションをとれる仕組みが必要とされている。

 以下では、こうした新しい時代の「いつでもどこでもどんなデバイスでも ~Anytime, anywhere, by any device(3A)~」を実現している例を見ながら、業務の完全モバイル化、端末に縛られることのない働き方の実践、そしてテレワーク時のコミュニケーションの充実という3点について考えてみたい。… 続きを読む

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古澤 祐治

古澤 祐治

NTTコミュニケーションズ ソリューションマーケティング

顧客企業の抱える経営課題を解決する新しいワークスタイルやコミュニケーションツールの提案に従事。同社における導入事例に基づき、スマートデバイス活用、テレワークの実践、ユニファイドコミュニケーションの導入などを支援している。

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