最新動向に見る「クラウド化」のメリットとポイント(第1回)

Office 365 VS. Google Apps

2013.10.09 Wed連載バックナンバー

 オンプレミスで運用していたメールやグループウェア環境を、クラウドサービスであるマイクロソフトの「Office 365」やグーグルの「Google Apps for Business」に移行する企業は少なくありません。そこで、人気の高いこの2つのクラウドサービスの特長やその違いについて解説していきます。

 

メール/グループウェアをクラウド化する企業が続出する理由

 IT環境における運用コストの削減、あるいは災害時の事業継続などを目的として、既存システムのオンプレミスからプライベート/パブリッククラウドへの移行を検討する企業が増えています。その中でも、特にメール環境やグループウェアの移行先として昨今人気の高い「Office 365」と「Google Apps for Business(以下、Google Apps)」について紹介していきます。

 さて、メール環境やグループウェアをクラウドに移行する理由はいくつか考えられますが、その中でも大きいのは“コスト負担の軽減”でしょう。たとえばサーバーの老朽化に伴うメール環境にリプレースを考えた場合、まず新たなサーバーを購入しなければならないほか、場合によってはソフトウェアのライセンス費用も発生します。多くの企業にとって、IT環境のコスト削減は相変わらず大きな課題であり続けている現状を考えると、イニシャルコストを抑えて導入できるクラウドサービスのメリットは大きいというわけです。

 サーバーのリプレースやソフトウェアのバージョンアップに頭を悩ませる必要がないことも、クラウドサービスのメリットです。通常、サーバーの保守契約期間は5年程度であり、延長保守契約を利用しても7~8年がせいぜいです。ソフトウェアにも当然サポート期間があり、たとえばサーバーOSとして広く使われている「Windows Server 2003」は、すでにメインストリームサポートは終了(2010年7月13日)し、延長サポートも2015年7月14日に終了します。保守契約やサポートが終了したハードウェア/ソフトウェアの利用はリスクが大きいことから、新しいハードウェアへの移行やソフトウェアのバージョンアップが求められますが、クラウドサービスであればこうした負担を考えることなく利用し続けられます。

 Office 365とGoogle Appsは、このようなメリットを備えたクラウドサービスであり、サーバーを構築することなくメールやグループウェア、オンラインストレージ、リアルタイムコミュニケーションなどのツールを業務に活用することが可能になります。

 

土台の異なるOffice 365とGoogle Apps

 こうしたメリットのあるクラウドサービスとして、現在多くの企業でOffice 365やGoogle Appsへの移行が進められています。それでは、この2つのサービスにはどのような違いがあるのでしょうか。

 まず注目したいのは、両サービスの土台の違いです。Office 365はもともと同社のサーバーOS向けに提供していた「Microsoft Exchange」や「Microsoft SharePoint」をベースとして開発されたクラウドサービスです。つまり、これらのサーバーアプリケーションをすでに利用していた場合、ほとんど違和感なくOffice 365に移行できる強みがあります。

 一方のGoogle Appsは、「Gmail」や「Google Calendar」など、もともと個人向けに提供していたサービスをエンタープライズ向けに仕立て直したという経緯があります。もちろん、ビジネス利用において必要十分な機能が利用されているほか、多くのユーザーを集めていることからも分かるとおり、エンドユーザー側から見た使い勝手も良好です。ただ、GmailやGoogle Calendarなど、主要アプリケーションスイートに含まれないサービスはサポート規約が適用されず、またSLAの対象外となるなど、気になる点があることも事実でしょう。… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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