通信インフラの基礎知識(第2回)

サービスをつなぎ続ける運用保守のプロ集団に迫る

2015.05.15 Fri連載バックナンバー

 クラウド全盛のいま、通信インフラは事業継続を支える生命線となっています。しかし、いくら万全の対策を講じても故障は起こり得るものです。その際の迅速な復旧対応、そして故障をゼロに近づける継続的な改善がサービス品質のカギを握ります。NTTコミュニケーションズは、複数のオペレーションセンターによる統括的な運用保守体制を構築し、国内外で提供する法人向けサービスと、それらを束ねる通信インフラの品質を高いレベルで維持しています。

 今回はオペレーションセンターの中枢に位置する「TOC」(東京オペレーションセンター)に潜入し、「サービスをつなぎ続ける」終わりなきミッションに取り組む、プロの横顔に迫ります。

 

国内外の85万回線をフルタイムで見守る使命

 ネットワークからクラウド、音声系まで、TOCはNTTコミュニケーションズが提供する法人向けサービスの運用保守業務をトータルに担当しています。全世界を網羅する85万回線相当のサービスの常時監視や故障受付、回復措置を24時間365日体制で行っています。また、ルーターや伝送装置などの基幹設備、全国に張り巡らされた中継ケーブル、国際海底ケーブルといった通信インフラ全般の運用保守も手がけており、いわばNTTコミュニケーションズの心臓部と言える重要拠点です。

 TOCのサービスフロントユニット ユニット長の三井辰介氏は「現在、TOCには1,100人以上の社員が在籍しており、うち700人がサービスフロントの業務を担当しています。お客さまからのお問い合わせに対して問診を行い、故障区間の特定、復旧に当たる通常のオペレーションに加え、サービス監視により迅速に故障を発見し、復旧させるプロアクティブなオペレーションにも力を入れています。常に安心してサービスをご利用いただくために、お客さまより『早く見つけ』『早く知らせ』『早く直す』ことがモットーです」と説明します。

 TOCには顧客窓口となるフロント以外にも、さまざまなセクションが存在します。有償で担当顧客に対して個別対応を行う「サービスマネジメント」、設備全体を監視して高度な故障切り分け、復旧を行う「設備オペレーション」、新サービスの導入支援、改善活動を先導する「サービス運営」、大規模故障時に複数のセンターを統括して効率的な調整を行う「統制」、センター内で原因が特定できない故障を国内外の現地に駆け付けて対応する「レスキュー」など、これらのセクションがリアルタイムに連携することで高いレベルの運用保守を実現しています。

 TOCの強みの一つとなっているのが「レスキュー」の存在です。三井氏が「年間100件ほど、現状の監視体制では原因が特定できない『サービス区分外』のトラブルが発生します。このような保守領域ではないトラブルに対応するのがレスキューチームです。国内外のお客さまの拠点を訪問し、トラブル事象に応じた調査機器を持ち込んで原因を究明。速やかに不具合を解消しています」と語るように、TOCでは従来の運用保守から一歩踏み込んだ対応も行っています。

 「トラブルに対応するカスタマサポート」から「お客さまのビジネスを勝利へ導くオペレーションサポート」へのシフトで、TOCでは顧客満足度の頂点を目指して運用保守を進化させているのです。

 

顧客満足度向上に向けた不断の取り組み

 サービスや設備を常時監視したり、故障をいち早く発見して復旧したりするだけがTOCの業務ではありません。むしろ、顧客満足度アップに向けたバックヤードでの取り組みにこそTOCの本質があると言えます。

 その1つ目の取り組みは「人材育成の強化」です。人材育成こそすべての出発点という考えのもとで顧客応対スキルとテクニカルスキルの両面から人材教育に力を注いでいます。… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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