日本企業に求められる事業創造への新たな視点

3000億円の事業を生み出すビジネスプロデュ―スとは

2017.07.14 Fri連載バックナンバー

 アップル、グーグル、アマゾンに続け! これからは新たな事業創造こそが日本企業を元気にするカギを握っています。

 経済産業省時代にベンチャービジネスの制度設計、国際エネルギー政策立案などに深く関与。現在は幅広い企業に対して新規事業立案・実行支援といった「成長」にフォーカスしたコンサルティングを行う株式会社ドリームインキュベータの三宅孝之氏が、自著『3000億円の事業を生み出す「ビジネスプロデュ―ス」成功への道』より、大きな事業創造であるビジネスプロデュースを成功させるポイントについてわかりやすく解説します。

 

失われた20年で日米企業に起きた逆転現象

 戦後復興から高度経済成長を経て、日本には多くの大企業が生まれ、右肩上がりの成長を遂げていきました。しかしバブル崩壊後に状況は一転し、「失われた20年」と呼ばれる長期にわたる不況に陥ります。

 その間に起きた、日本とアメリカの逆転現象をご存知でしょうか。

 1990年に、1兆円以上の時価総額を持つ大企業の数は、日本がアメリカを上回っていました。しかし、2013年になると、日本は大差で逆転されてしまいます。図1が示すとおり、約20年という歳月の中で、日本はアメリカに、ベンチャーの数だけでなく、大企業の数でも圧倒的に水をあけられてしまったのです。

 

【図1】時価総額で兆円級企業(1兆円 or 百億ドル以上)の日米比較

 その理由について三宅氏は、「アメリカは、大切な経営資源であるヒト、モノ(技術)、カネの絶対量があり、流動性も高いためベンチャーが育ちやすい環境にあります。日本では、そうした経営資源が大企業に集約されるため、ベンチャーが育ちにくいという構造的要因があります。そのため、ベンチャーに代わって大企業が事業創造に取り組むべきなのですが、それが難航したことが、このような結果につながっています」と分析します。

 なぜ、豊富なリソースを独占しながら、日本の大企業は事業創造に失敗したのでしょうか。

 そこには、いくつかの理由が考えられます。最初に三宅氏が挙げるのは「圧倒的な経験不足」です。図2を見て分かるように、戦後復興の1950年代は組織内の全世代がイノベーターでした。それが70年代、90年代と時が進むにつれてイノベーターの占める割合が減っていき、2010年代になるとほぼいなくなっています。

【図2】大企業:組織からみる日本企業の「非イノベーション」構造

 三宅氏は「『失われた20年』を経験して、多くの日本企業が危機感を持つようになりました。しかし、誰も新規事業を生み出した経験がないため、どうせチャレンジしてもうまくいかないという風潮や、失敗のリスクの取り方もわからないという状況が生まれたのです」と明かします。

 こうした「守り」の状況から生まれているのが、2つ目の理由である… 続きを読む

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