OCN20周年!インターネットサービスを振り返る

インターネットは日本のビジネスをどう変えたのか

2017.05.02 Tue連載バックナンバー

 いまや、社会インフラとして定着した感のあるインターネット。その国内最大級の接続サービスが、1996年12月にサービス提供を開始した「OCN」です。法人向けのインターネットサービスの登場により、日本のビジネスはどのように変わってきたのか、そして、今後どう変わっていくのか。インターネット黎明期からOCNの立ち上げに関わり、現在もサービスを支えるNTTコミュニケーションズの担当者にお話を伺いました。

 

日本におけるインターネットの始まり

 インターネットのルーツは、東西冷戦が続いていた1960年代、アメリカで生まれた調査・研究用のコンピューター・ネットワーク「ARPANET」とされています。日本では、1984年に東京大学、東京工業大学、慶応義塾大学を実験的に結んだ学術・研究用ネットワーク「JUNET」がインターネットの始まりとされ、そこにバックボーンの一部を提供したのは当時、民営化したばかりのNTTでした。1988年にはNTT研究所とスタンフォード大学とのゲートウェイ間でTCP/IP接続実験に成功し、はじめてIPパケットが太平洋を横断することになります。

 1990年代に入ると日本にもISPが登場し、インターネット接続サービスの提供を開始。しかし、当時のインターネットは電話回線を使うダイヤルアップ接続のため通信速度が遅く、いまなら一瞬でできる写真の送信にも数分、数十分かかっていました。また、従量課金制が主流であったため毎月のランニングコストが10万円を超えることが普通で、利用者は研究者などのコアな層に限定されていたのです。

 そのような中、NTTは将来的なネットワークやアプリケーションの開発を目的として、1994年に企業、大学、研究機関などを巻き込んで「マルチメディア通信の共同利用実験」を開始します。NTTコミュニケーションズネットワークサービス部の北村和広氏は、当時を振り返ります。

 「共同利用実験でいくつかのサービスが世に送り出されることになりますが、OCNもその1つでした。しかし、当時の日本の電気通信はかなり遅れていて、世界中にアクセスできるインターネットを商用化するに当たり、地域通信なのか長距離通信なのか、はたまた国際通信なのかと、その位置付けから考える必要がありました」

 こうした議論を経て、1996年にISP事業者OCNが誕生。立ち上げと同時に提供を開始したのが定額常時接続サービス「OCNエコノミー」です。北村氏は「OCNはISPとしては後発でしたが、月額38,000円で使える常時接続サービスは世の中に大きなインパクトを与えました。OCNエコノミーでは128kbpsのメタル線を使っていたのですが、機器を共用するなど工夫をして価格を抑えました。目的はあくまでもインターネットの普及でしたので、ほかのISP事業者が同様のサービスを提供できる仕組みも構築しました。さらにインターネットのアクセスポイントの設置にも注力し、1999年に日本のISPとして初めて全国展開を完了しています」と当時の取り組みを語ります。

 

常時接続がビジネスに与えたインパクト

 定額常時接続インターネットサービス「OCNエコノミー」の登場が、国内にインターネットが広く普及するきっかけとなり、日本のビジネスにも大きな変化が起こります。… 続きを読む

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