「車×IoT」の要となる機器の通信機能を刷新

MVNOでコスト削減と品質向上を両立させたデジタコ

2017.03.17 Fri連載バックナンバー

 昨今、ネット通販による配送が急増し、宅配ドライバーの負担も大きくなっており、交通事故などのリスクを高める一因となっています。現在、多くの企業がドライバーの労務管理に注力しており、法令で車両への取り付けが義務付けられている運行記録計「デジタルタコグラフ」へのニーズもより一層高まりつつあるようです。運輸業界向けの幅広いソリューションを提供するNPシステム開発は、主力製品のデジタルタコグラフを通して、時代のニーズをキャッチし、通信機能の刷新に踏み切りました。

株式会社NPシステム開発について

 NPシステム開発は、1983年の創業以来、運輸業界に特化したソリューションの開発で事業者の安全と環境保全に対する取り組みをサポート。愛媛県松山市に本社を置き、ドライブレコーダーやカメラといった車両の走行実態を把握するための車載機器から、管理・制御用ソフトウェアやシステムまで、多様な製品・サービスの提供、アフターフォローを一元的に提供できることを強みとしています。

 

“人の心を動かす”ものづくりで業績を拡大

 NPシステム開発の主力製品の1つがデジタルタコグラフ(デジタコ)です。これは運行時間や走行速度などのデータを収集・記録することで、車両の詳細な稼動状況を可視化する計器であり、バス、トラックといった業務用車両への搭載が法令で義務付けられています。運輸業界各社は、このデータをもとに走行ルートの最適化や燃費削減、乗務員の労務管理などを行っています。

 同社代表取締役の塩梅 敏氏は「現在の運輸業界は、サービス競争の激化や人件費の高騰などで非常に厳しい状況に置かれています。デジタコを導入されるお客さまは、ドライバーの労務管理と併せて、いかに車両の燃料費を抑えられるかを重視されます。しかしデジタコを導入しても即座に燃料費が抑えられるわけではありません。データの見える化で安全運転を評価する体制をつくりドライバーのモチベーションを上げる。より最適な労務管理体制づくりに向けた管理者の気づきを促す。そうすることで長期的に燃料費を下げ、事故のリスクを減らし会社の環境を変えていくのです。私たちが目指しているのは、そのような“人の心を動かす”製品開発です」とものづくりのポリシーを語ります。

 「かつては機器内のメモリーカードにデータを保存するタイプがデジタコの主流でしたが、現在はデータ閲覧のリアルタイム性や管理しやすさを強化した、ネットワーク経由で管理システムに接続するタイプへのニーズが増加しています。それは、交通事故などの万一のトラブルへの対処が迅速に行えるようになるという理由からです。こうしたニーズを受けて当社も、通信モジュール内蔵型の『e-Tacho(イータコ)NET-500/580シリーズ』を展開しています」と塩梅氏は説明します。

 

リアルタイム運行管理の障壁を取り除かなくてはならない

 しかし近年は、新たな課題も浮上していました。デジタル化の加速によって、クルマの世界でもデータ通信の活用範囲が拡大し、デジタルタコグラフが扱うデータの種類や量も増加傾向にあり、顧客の通信費負担が増大しがちになってきたのです。

 同社システム開発本部長である大野浩一氏は「扱うデータが増え、より詳細な動態が把握できるようになれば利用メリットは高まりますが、その分コストが高くついてしまうようでは意味がありません。費用対効果の最適なバランスを実現する、導入しやすい通信モジュール内蔵型デジタコを開発するためには、通信の仕組みの見直しが必須でした」と振り返ります。そのコストの障壁さえ取り除けば、さらなる製品の拡販につながる確信もありました。コストを理由に導入を断念している利用者層が少なからずいることを、日頃の顧客の声から感じていたからです。

 そこで同社では「e-Tacho NET-500/580シリーズ」の通信機能のリプレイスにあたり、複数のサービスの検討を開始します。… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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