ネット広告不要!売り上げが伸びるECサイトを構築

551蓬莱に見る、売れるECサイトの絶対条件とは

2017.03.10 Fri連載バックナンバー

 ECサイト開設は商機拡大の有効な手段ですが、売り上げを伸ばすには開設後の継続的な取り組みが重要です。アフィリエイト広告やSEO対策はもちろん、近年デジタルマーケティングを導入している企業も増えています。こうした取り組みを一切行わずに、ECサイトの売り上げを伸ばし続けているのが「551蓬莱の豚まん」でおなじみの株式会社蓬莱です。

株式会社蓬莱について

 株式会社蓬莱は、大阪圏にて食品の製造販売及びチャイニーズレストラン経営を展開するフードサービスを事業としています。

 全売り上げの約6割を占めるのは、「551蓬莱の豚まん」。

 創業以来、大阪にある工場から各店舗に原材料を届け、顧客の目の前で調理する「当日のつくりたてを売る」ことを原則としているため、工場から車で150分以内のエリアにしか出店しないという信念を貫いています。

記事概要

・「551蓬莱の豚まん」は、大阪圏でのみ販売されていたため、全国の顧客からネット通販への要望が多数寄せられていた

・ECサイトの構築を検討するが、社内にシステム部門がなく、専門知識がある人材もいなかった

・既存の電話通販システムのリソースを生かしたECサイトを構築。専門用語を使わず、じっくりと質疑応答を重ねてシステム構築を遂行

・ECサイトや電話、店頭など、各販売チャネルの受注データを統合するシステムを構築し、業務効率が向上

 

「つくりたてを売る」と「お客さま第一」のジレンマを解消

 株式会社蓬莱の代名詞的商品である「551蓬莱の豚まん」は、発売以来、大阪圏でしか販売しないことを矜持としてきました。そのため、日本全国のファンから「大阪にしか出店しないなら、せめて通信販売で」という声が多く寄せられたと言います。しかし、通信販売に対応にはいくつかの問題がありました。そもそも「当日のつくりたてを売る」というポリシーが、翌日以降に商品が届く通信販売にはそぐわなかったこと。さらに、店頭で顧客とコミュニケーションを取る対面販売にこだわっていたため、お互いの顔が見えない商売には大きな抵抗があったのです。

 総務部の柏本政幸氏は「こうした課題があったため、通信販売への対応は一度とん挫します。しかし、その一方でお客さま第一の商売を心がけていますので、どうしても食べたいという声に応えられないというジレンマがありました。全国から寄せられたお客さまの声に背中を押され、通信販売への対応が決まりました」と当時を振り返ります。

 豚まんは日持ちしないことから、同社は通信販売向けに作り立ての豚まんを急速冷蔵するチルド技術を開発。1994年より賞味期限5日のチルド豚まんを看板商品として、電話受付による通信販売に踏み切ります。このプロジェクトに携わった柏本氏は「いつもキーボードで数字を入力しているからという理由だけで、私が電話による通信販売のシステム構築を担当することになりました(笑)。もちろんキーボードを打っていてもシステムがわかるわけではないので、システム構築は大変苦労しました。しかしそんな私にも使いやすい仕組みにこだわったため、結果的にいいものができたと思っています」と経緯を説明します。

 

ECサイト構築で総務部が抱えた一抹の不安

 その後、電話受付による通信販売は着実に売り上げを伸ばしていきますが、インターネットの普及に伴い、「豚まんをネット通販で買いたい」という要望が急増します。そこで、当初ショッピングサイトへの出店に向けて準備を進めていました。しかし、外部に販売を委託するとなると、さらに顧客との距離が遠のいてしまう懸念があり、結果的には自社運営のECサイト構築を決断します。

 柏本氏は「当時の私はそもそもネット通販を利用したことさえなく、ECサイトに関する知識はゼロでした。… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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