乗り遅れるな!2017年、見極めたいICTの大波(第2回)

“クラウド過渡期”の波を乗りこなすための3カ条

2017.02.08 Wed連載バックナンバー

 将来を見据えたICTインフラ構築を検討する際の注目すべきポイントとして、複数のクラウドを利用する「マルチクラウド」、そしてオンプレミスで利用する新たなインフラである「ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)」の二点を第1回では解説しました。こうしたトレンドを踏まえ、第2回では2017年に激変する可能性の高いICTインフラ構築のポイントをまとめます。

<2017年のICTインフラ構築の“3カ条”>

(1)サービス選びは後から。まず「何をしたいのか」を考える
(2)星取表は作らない――どのクラウドが何に強いのかを見極める
(3)ネットワークが重要。信頼できるインテグレーターと一緒にスモールスタート

 上記の“3カ条”について、項目ごとに具体的に解説していきます。

 

サービス選びは後から。まず「何をしたいのか」を考える
~アプリケーションや業務目線で

 昨今のクラウドベンダーは、IaaSの分野では汎用的に使えるメニューの他に特定の計算目的に特化したメニューを提供していたり、PaaSの分野では広く使われているミドルウェアだけでなく「Oracle Database 12c」をはじめ、そのベンダー自身のソフトウェア製品をPaaSで提供していたりするなど多様化しています。また、1社で100種類ものメニューを提供しているクラウドベンダーもあります。

 このように、クラウドサービスが目的別に多様化していることを踏まえると、これまで以上に「クラウドで何をするのか」「どんな課題を解決したいのか」を意識することが重要になってきます。たとえばオンプレミスで運用しているシステムをクラウド化する際、IaaS上の仮想サーバーに丸ごと載せ替えるのではなく、一部の機能の代替でPaaSを利用した方が効率的というケースも十分に考えられるでしょう。クラウドを使って何を成し遂げるのかが不明瞭では、本来最適なクラウドサービスを見落とすことにもなりかねません。

 このような視点でクラウドサービスを選ぶためには、ICTインフラの担当者だけでなく、ミドルウェアやアプリケーションの構築や運用に携わるメンバーとの連携が大切です。また、システムの利用者にあたる業務部門を巻き込むことも必要になるでしょう。ICTインフラの担当者では直接知りえない、利用者のニーズの中にも、真の課題が含まれているからです。

 

星取表は作らない――どのクラウドが何に強いのかを見極める
~機能やコストの比較表ではわからない“重要なこと”

 クラウドサービス選びにおいて留意したいのが「星取表を作らない」ことです。横軸に製品やサービス、縦軸に評価項目を並べ、サービスを比較する星取表は、たとえば単独のハードウェアを比較する場合には便利な判断材料になります。しかしクラウドサービスの場合、「多く○印がつけば最適」とは限らないのです。前述のとおり、現在のクラウドサービスは多数のサービスの集合体です。どのクラウドサービスが何に強いのか、それを見極めることが大切で、単純に必要とする機能が提供されているかどうかだけでなく、その中身にまで踏み込んで要件を満たせるかどうかを考えるべきです。

クラウドサービス選択のポイント

 機能比較も重要ですが、企業のコンプライアンスポリシーとの整合性も重要になります。具体的には、サービス契約の準拠法については慎重な検討が必要です。たとえば、「Amazon Web Services(AWS)」の標準契約ではアメリカのワシントン州法を準拠法としますが、「Microsoft Azure」を日本マイクロソフトと契約して利用する場合には… 続きを読む

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