乗り遅れるな!2017年、見極めたいICTの大波(第1回)

インフラ投資はマルチクラウド対応、HCIに着目!

2017.02.01 Wed連載バックナンバー

 クラウドの登場により企業のICTインフラは大きく変貌し、2017年はさらに大きな変化をもたらす技術が広まる可能性を見せています。本特集の第1回と第2回では、2017年以降のICTインフラに関して、どういった技術に着目し、何を検討し、どう構築していくべきかについて詳しく解説していきます。

ポイント

・「マルチクラウド」でクラウドの使い分けが加速:どのように選び、管理していくか
・新しいトレンド「HCI」:なぜHCIなのか。2017年リリース予定の「Microsoft Azure Stack」とは?

 

“パブリッククラウド戦争”の終焉…新たなステージは?

 2017年以降のICTインフラを考える際、複数のクラウドサービスを使いこなす「マルチクラウド」と、サーバーやストレージ、ネットワーク、仮想化技術をソフトウェア定義型で高密度に集約した「ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)」の二つは、無視できないキーワードです。ここ10年近く、企業のICTインフラはクラウドへの移行が大きなテーマとなり、「Amazon Web Services(AWS)」をはじめとするパブリッククラウドが大きな注目を集めました。それが一段落したいま、さらなるICTインフラの最適化、あるいはクラウド化で解決できなかった課題、さらにクラウド化によって新たに生まれた課題をクリアするために、新たなステージに踏み出し始めるのが2017年ということになりそうです。

 

マルチクラウドとは?

 それでは、まずマルチクラウドから考えていきましょう。パブリッククラウドが登場した当初は数多くのサービスが乱立し、まさに戦国時代といった様相でしたが、現在ではプレイヤーもある程度絞られ、単に市場認知という面で見ればAWSと「Microsoft Azure」の2強といった状態になっています。

 そこで注目したいのは、特定の用途に強みを発揮するクラウドサービスが登場している点です。たとえば「Google Cloud Platform」はビッグデータ分析に強みを持つ「BigQuery」と呼ばれるテクノロジーを提供し、ペタバイト規模のデータでも高速に分析できるサービスとして注目を集めています。また、「Oracle Cloud」は、自社のリレーショナルデータベースの最新版である「Oracle Database 12c」をクラウドサービスとして提供し、さらに各種PaaSSaaSも積極的に展開するという独自性を見せています。

 このように独自の特長を持ったクラウドサービスが数多くある状況では、1つのクラウドですべてをまかなうよりも、複数のクラウドサービスを使い分けた方が、より効率的に、より低コストで目的の達成や課題を解決することが可能になります。こうして、これまで以上に多数のクラウドサービスを適材適所で使い分けるのが、マルチクラウドと呼ばれる考え方です。

マルチクラウドとは

 

“シャドーIT問題”は本当の問題ではない

 一方、クラウドサービスの利用が促進するのに伴って、新しい課題も出てきています。とりわけ、よく聞かれる課題はシャドーIT問題です(「勝手クラウド」と表現されることもあります)。シャドーITとは、IT部門によって設計・運用されている正規のIT環境とは別に、利用部門が外部のクラウドサービスを直接利用してしまっている状態を指します。組織設計上のIT部門以外の部署が、IT部門の役割を担ってしまっているため、影のIT部門という意味でこのように呼ばれます。このような状況では、IT部門が運用に関与できておらず、状況を適切に把握したりコントロールしたりすることができません。万が一、セキュリティ問題のような深刻なインシデントが発生した場合、経営層に正しくレポートされない可能性が高くなります。

 ここで注意しなければならないのは、シャドーITは問題の本質ではないということです。… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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