なぜ日本はパブリッククラウド後進国なのか?

大手企業が続々導入!「Box」人気の秘密を探る

2016.12.16 Fri連載バックナンバー

 日本では自社リソースのクラウド移行を躊躇する企業が少なくありません。とりわけ、パブリッククラウドに対しては「セキュリティに不安がある」という企業が少なくありません。そんな中でソリューション型のパブリッククラウドサービス「Box」は、日本で好調にセールスを伸ばしています。はたして、そこにはどんな戦略があったのでしょうか。

 

日本でパブリッククラウドが普及しない理由

 日本におけるIT基盤ではオンプレミス、プライベート(ホステッド)クラウド、パブリッククラウドの順で安全性が高いと考えられています。海外では名だたる大企業がパブリッククラウドサービスを導入する一方で、いまだ日本ではセキュリティを理由に約2割の企業が導入を断念。これは最新の調査データ(株式会社MM総研「国内クラウドサービス需要動向(2015年版)」)でも同様の数値を記録しています。

 この日本独特の拒絶反応に異を唱えるのが、株式会社 Box Japanの代表取締役社長 古市克典氏です。「いまやオンプレミスが絶対に安全とは限りません。プロハッカーの標的になれば、一般企業のIT部門では守ることはできないからです。それならプロのホワイトハッカーが守るセキュリティの担保されたパブリッククラウドを使うほうが、はるかに安全です。過去にはデータ漏えい事件もありましたが、ひとくくりに危険と決めつけるべきではありません。現に私たちの『Box』はサービス提供開始から10年近く、一度もセキュリティ事故を起こしていないのです」

 なぜ、パブリッククラウドに対して日本だけがセキュリティに不安を感じるのか。それはITに対する捉え方の違いにあります。ITを攻めのツールととらえる海外では「使い勝手」、守りのツールととらえる日本では「セキュリティ」が最優先される傾向にあるのです。

 古市氏は「もちろん使い勝手が良く、セキュリティが高く、コストが安ければ問題はありません。しかし、この3項目はトレードオフの関係で、どれかを満たせば、いずれかが犠牲になります。個人向けから始まったパブリッククラウドは使い勝手とコストを重視して、セキュリティがおろそかになりがちです。一方でBoxは法人向けサービスとしてスタートしていますので使い勝手、セキュリティを最優先して設計しています。やや導入コストはかかりますが、長い目で見ればTCOを大幅に抑えられる効果もあります」とサービスの設計思想を解説します。

 はたして、いま世界中で大ブームを巻き起こしているBoxとは、どのようなサービスなのでしょうか。

 

世界でブレイクする「Box」の日本戦略とは

 簡単に説明するとBoxとは、パブリッククラウド基盤で提供される「ビジネスコラボレーションの活性化」を目的としたコンテンツ・マネジメント・プラットフォームです。第一の特長は「強固なセキュリティ」にあります。一般的なファイル共有サービスではマスターデータは利用者の端末に存在しますが、Boxを利用すれば社内のデータをクラウド上で一元管理し、従業員はデータをローカルに落とす必要はありません。ローカルに落とさず全てクラウドで運用することで、企業はデータをプロテクトすることができます。さらに閲覧制限、アクセス監視、ウイルスチェックといった各種対策を講じることで万全のセキュリティを実現しています。

 古市氏は「とりわけ高く評価されているのは『あらゆるログが取れる』こと。いつ、誰が、どのファイルにアクセスして、なにをしたかがリアルタイムで記録できるため、不正利用の抑止効果となるのです」と、セキュリティ面での強みを語ります。

コンテンツを集約して抜群のセキュリティを実現

 第二の特長は「使い勝手のよさ」にあります。まず容量無制限のストレージが追加料金なしで使えるため、容量を気にせずファイルをアップロードできる点です。しかも、強力な全文検索機能で目当てのファイルがすぐに探し出せ、PCのみならず幅広いスマートデバイスで利用できます。そして最大の特長は、利用者の端末にインストールされていないアプリケーションで作成されたファイルでも… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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